8月の訪日外客数は、昨年8月以降13カ月連続で減少し、前年同月比8.4%減の68万人となった。日本政府観光局(JNTO)が9月28日に発表した。訪日外客数は昨年11月から前年同月比で2ケタ減となっていたが、今回1ケタ台に縮小。中国、米国、カナダ、フランスの4市場でプラスに転じた。
景気低迷による消費、旅行の手控えや円高の継続などがマイナスに作用したものの、「インフルエンザの流行による影響は収縮した」(JNTO)。
国・地域別にみると、韓国は韓国内でのインフルエンザの流行、ウォン安が影響し23.0%減の19万1千人。台湾は航空便の縮小、台風の直撃と被害拡大などが要因となり3.7%減の11万4800人だった。中国は個人観光査証の発給などがプラスに作用。17.3%増の10万9100人となり、8月としては初の10万人台を記録した。
香港は12.7%減の4万7200人。タイは3.3%減の8100人。シンガポールは11.4%減の6900人。オーストラリアは22.2%減の1万3400人。
米国は経済の部分的な上向き兆候がみられ、1.5%増の5万8千人。カナダは減少基調が下げ止まり1.9%増の1万3400人と4カ月ぶりの増加。フランスは1.9%増の1万3900人で3カ月ぶりのプラス。景気低迷による商用客の減少を観光客が下支えした。英国は8.4%減の1万4900人。ドイツは9.2%減の8600人となった。
出国日本人数は、景気低迷が尾を引く中で燃油サーチャージの廃止や円高がプラスに作用し、4カ月ぶりに増加。同2.2%増の151万8千人となった。