帝国データバンクによると、今年8月の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理)は688件、負債総額は1317億7700万円だった。件数は6カ月ぶり、額は2カ月連続で前年同月比増加した。
件数は前年同月比10.1%増加。前月比では2.8%減少した。
額は前年同月比36.6%、前月比3.0%それぞれ増加した。
件数を7業種別に見ると、5業種で前年同月比増加した。特に卸売業(同36.8%増、119件)が大きく増加。建設業(同14.9%増、154件)も3カ月ぶりに増加した。
サービス業は同1.5%減の129件と、3カ月連続で減少。製造業(同6.5%減、87件)も8カ月連続で減少した。
9地域別では、6地域で前年同月比増加した。このうち関東(同28.2%増、282件)は7都県全てが前年同月を上回り、今年最大の件数を記録した。北海道(同36.8%増、26件)、四国(同200.0%増、21件)も大きく増加した。
東北(同36.0%減、16件)、近畿(同0.6%減、173件)、九州(同36.7%減、38件)は前年同月を下回った。九州はセーフティネット保証4号などの各種金融支援効果もあり、2006年9月(38件)以来、9年11カ月ぶりに40件を下回った。
規模別では、負債5千万円未満の倒産が400件で、前年同月比14.3%増。倒産全体に占める割合は58.1%。小規模倒産が依然、半数以上を占めている。
半面、負債50億円以上の倒産が3件と、大型倒産が低水準となっている。
上場企業の倒産は11カ月連続で発生していない。
観光関係の主な倒産は、元・温泉旅館経営の新川総合開発(富山県、破産、負債23億円)、温泉旅館経営の小柳館(富山県、破産、負債15億円)、元・温泉旅館経営の戸田屋(石川県、破産、負債9億5千万円)など。