
観光庁が16日に発表した訪日外国人消費動向調査の1次速報値で、2019年7~9月期の訪日外国人の旅行消費額は、前年同期比9.0%増の1兆2千億円となった。中国、米国、タイ、オーストラリア、ベトナム、フランスなどの消費額は前年同期に対して増加したが、日韓関係の悪化に伴い訪日客が大幅に落ち込んだ韓国の消費額は約3割減となった。
国・地域別では、最多の中国が22.3%増の5051億円で全体の42.1%を占めた。続いて台湾が0.3%減の1386億円、韓国が32.4%減の915億円、香港が1.3%増の855億円、米国が11.6%増の788億円、タイが44.3%増の290億円、オーストラリアが12.9%増の259億円、ベトナムが34.4%増の234億円、フランスが16.0%増の232億円など。
韓国は、19年7~9月期の一般客(クルーズ客を除く)の訪日客数が前年同期比36.2%減の107万1千人と大幅に減少したことが響き、消費額が前年同期に比べて約438億円減少した。訪日外国人旅行消費額全体に占める韓国の構成比は前年同期の12.3%から7.6%に縮小した。
訪日外国人旅行消費額を費目別に見ると、買い物代が3956億円(構成比33.0%)、宿泊費が3608億円(同30.1%)、飲食費が2649億円(同22.1%)、交通費が1294億円(同10.8%)、娯楽等サービス費が484億円(同4.0%)となった。
訪日外国人旅行者の一般客(クルーズ客を除く)の1人当たり旅行支出は、前年同期比5.2%増の16万5425円となった。国・地域別に見ると、東アジアでは、中国が4.9%減の20万9168円で、このうち買い物代が9万4446円を占めた。台湾は5.7%減の11万6876円、韓国は6.1%増の8万5421円、香港は1.2%減の15万5690円。
欧米豪は、滞在日数が長く、宿泊費への支出が高い傾向にあり、旅行支出全体が高額。政府の訪日促進の重点市場20カ国・地域で最高額だったフランスは2.9%増の25万2117円で、このうち宿泊費が10万6308円だった。米国は1.4%減の19万7979円、オーストラリアは2.2%減の21万5419円、英国は18.2%減の17万7330円となった。
東南アジアでは、ベトナムが5.9%増の19万941円で、うち買い物代が5万5096円を占めた。タイは37.6%増の15万7515円、シンガポールは24.8%減の15万4726円だった。
一方、国・地域を問わないクルーズ客の旅行消費額は、前年同期比0.1%増の266億円だった。クルーズ客1人当たり旅行支出は、前年同期比7.5%増の3万8473円で、このうち買い物代が3万6237円を占めた。