7月の訪日外客数は、前年同月比26.6%増の127万人となった。年間を通じて1カ月当たりの過去最高を記録。3月から5カ月連続で100万人を突破した。中国が前年同月の実績に対し2倍増で市場別で最多の客数となったほか、韓国が6カ月ぶりにプラスに転じた。東南アジアは引き続き好調だった。
日本政府観光局(JNTO)が20日に推計値として発表した。
年間を通じて1カ月当たりで過去最高を記録したのは中国、香港。7月として過去最高だったのは、台湾、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インド、米国、カナダ、フランス、ドイツ。
中国は前年同月比101.0%増の28万1200人。伸び率の高さには、前年の同時期に日中関係の冷え込みが影響していたことの反動があるが、航空路線の増加や大型クルーズ船の寄港(17便)などで旅行者が増えた。ビジット・ジャパン事業で実施した旅行会社との共同広告なども需要を喚起した。
香港は同6.9%増の9万1200人。航空路線の増加のほか、JNTOは「テーマパークの新規アトラクションの開業が話題を呼び、関西方面の旅行商品が好調だった」と指摘した。
好調を持続している台湾は、同17.1%増の27万9300人。18カ月連続で各月の過去最高を更新している。
プラスに転じた韓国は同2.7%増の25万600人。7月としては、07年の25万4234人に次ぐ過去2番目の実績だった。客船の沈没事故などに伴う旅行の自粛ムードが緩和され、個人旅行を中心に訪日観光需要が回復したとみられる。ただ、「船舶利用の旅行を避ける傾向は一部継続している」(JNTO)。
東南アジアは、ビザ(査証)の免除や要件緩和の効果が持続。タイは同42.1%増の4万2900人で、北海道への旅行商品が人気だったという。インドネシアは同107.6%増の1万6800人、マレーシアは同63.2%増の1万6200人。
他の市場は、米国が同10.0%増の8万2900人、豪州が同24.2%増の2万100人、英国が同12.8%増の1万9600人、フランスが同16.6%増の1万8600人など。