帝国データバンクによると、今年5月の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理)は784件で、4カ月連続で前年同月比増加した。負債総額は961億7200万円で、2カ月連続で同減少した。
件数は前年同月比20・2%、前月比20・6%それぞれ増加した。前年同月比で20%超の増加は2009年6月の21・5%以来、7月11カ月ぶり。
負債総額は前年同月比9・3%減少。ただ、前月比は5・1%増加した。
件数を7の業種別に見ると、4業種で前年同月を上回った。
このうちサービス業は同22・5%増の169件と、2カ月ぶりに増加した。「旅館、その他宿泊所」が同50・0%増の6件。「娯楽業」は同14・3%減の6件と減少した。
小売業は同44・8%増の181件と、3カ月連続で増加した。「飲食店」が同80・0%増の72件と大幅増だった。
卸売業は同5・8%減の97件と、2カ月ぶりに減少。7業種のうち、唯一減少した。
建設業(147件)と運輸・通信業(21件)は前年同月と同数だった。
9の地域別では、6地域で前年同月比増加。
このうち関東は同21・6%増の304件と、4カ月連続で増加。サービス業、製造業など7業種中6業種で前年同月を上回った。
減少は東北(32件、同8・6%減)、北陸(17件、同34・6%減)、中国(18件、同43・8%減)の各地域。
規模別では、負債5千万円未満の倒産が同18・5%増の467件。倒産全体に占める割合は59・6%と、依然として過半数を占めている。一方、負債100億円以上の倒産が2カ月連続で発生しないなど、大型倒産は低水準で推移している。上場企業の倒産も発生しなかった。
観光関係の主な倒産は、旅館経営のゆあさ(群馬県、破産、負債10億6200万円)と柏屋別荘(長野県、破産、同9億9500万円)が報告されている。