観光庁の旅行・観光消費動向調査の速報値で、2023年4~6月期の日本人の国内旅行消費額は5兆5963億円となった。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5月に引き下げられたことなどで、22年同期比は27.7%増となり、旅行需要は回復傾向にある。ゴールデンウイーク(GW)が10連休だった19年同期比では6.6%減だが、18年同期比では11.1%増となった。1人1回当たりの旅行支出(旅行単価)は、物価高騰も影響したとみられるが、19年同期比14.6%増の4万1875円となった。
日本人の国内消費額は、コロナ前を大幅に下回る状況が続いていたが、国の観光支援策「全国旅行支援」が始まった22年10~12月期に19年同期比0.2%減。23年1~3月期には同1.3%増とプラスになり、感染拡大が始まった20年以降で初めてコロナ前の消費額を上回った。
23年4~6月期の国内旅行消費額のうち、宿泊旅行は4兆4197億円で、22年同期比が29.7%増。19年同期比が2.9%減だが、GW10連休の影響がない18年同期と比較すると16.1%増だった。一方の日帰り旅行は1兆1766億円で、22年同期比は21.0%増だが、19年同期比は18.4%減、18年同期比は4.4%減となった。
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