4月の訪日外客数は、前年同月比33.4%増の123万2千人だった。日本政府観光局(JNTO)が21日に推計値として発表した。今年3月に記録した105万1千人を上回り、1カ月当たりの訪日外客数として過去最高を記録した。観桜ツアーの定着などで中国や台湾、東南アジアが好調、欧米もおおむね順調だった。一方で韓国は旅客船事故の影響もあり、前年の実績を下回った。
4月の訪日外客数のプラス要因について観光庁の久保成人長官は「ビジット・ジャパン事業で継続的に取り組んできた桜のプロモーションにより、桜のツアーが各国に定着してきた。また、羽田空港の国際線発着枠拡大に伴う現地エージェント、エアラインとの共同広告も成果を上げている」と指摘した。
1カ月当たりの訪日外客数で過去最高を記録したのは、台湾、タイ、フィリピン、ベトナム、米国、フランス。4月として過去最高だったのは、中国、香港、シンガポール、マレーシア、インドネシア、インド、豪州、カナダ、英国、ドイツ。
中国は前年同月比90.3%増の19万600人。前年の日中外交関係の冷え込みなどの反動増に加え、桜シーズンの旅行需要の増加、上海発の大型クルーズ船9隻の寄港などで大幅に伸びた。
台湾は同30.3%増の25万7900人。年初からLCC(格安航空会社)の新規就航や増便、地方路線の増便で座席供給量が増加していることに加え、観桜ツアー、立山黒部ツアーが好調だった。
東南アジアでは、タイが同65.1%増の9万9400人で、米国や香港の訪日客数を上回った。フィリピンが同129.5%増の2万9700人、マレーシアが同71.2%増の2万5200人だった。
欧米豪は、米国が同22.6%増の8万5300人、豪州が同32.8%増の3万200人、英国が同27.2%増の2万3600人、フランスが同17.7%増の2万2200人など。
一方で、韓国は4月としては過去3番目の実績となる19万4千人だが、前年同月に比べて5.0%の減少だった。4月16日に発生した旅客船事故を受けて、現地ではイベントなどに自粛ムードが広がり、訪日旅行を含めた海外旅行のキャンセル、船舶から航空機への移動手段の変更なども発生したという。
訪日外客数全体の1〜4月の累計は、前年同期比29.2%増の410万6千人に達した。