4月の全国企業倒産、9カ月連続で減少


 帝国データバンクによると、今年4月の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理)は858件で、9カ月連続で前年同月比減少した。負債総額は1429億5600万円で、3カ月連続で前年同月比減少するとともに、4月としては2000年以降で最少を記録した。

 倒産件数は前年同月比5.3%減少。前月比では15.3%増加した。

 業種別では、7業種中4業種で前年同月比減少した。このうち建設業は同18.4%減、168件と、19カ月連続の減少となった。このほか卸売業が同14.1%減(122件)、不動産業が同11.5%減(23件)と、ともに2ケタの大幅減となった。建設業は公共工事などの建設需要が引き続き増加傾向にあり、倒産件数が抑制されたとみられる。

 前年同月比で増加したのは、運輸.通信業(31.4%増、46件)、サービス業(8.3%増、169件)、小売業(2.8%増、185件)の3業種。

 地域別では、9地域中4地域で前年同月比減少した。このうち中部が同17.1%減(116件)と、大幅に減少。関東も同11.0%減(316件)と2ケタ減少した。

 一方、北陸(56.0%増、39件)、中国(5.9%増、36件)、東北(10.0%増、33件)の3地域は増加した。北海道(33件)と九州(60件)は前年同月と同数だった。

 規模別では、負債5千万円未満の倒産が470件で、全体に占める割合が54.8%と、18カ月連続で過半数を占めた。

 半面、負債100億円以上の大型倒産は3カ月連続で発生しなかった。

 主因別では、販売不振、売掛金回収難、業界不振などの「不況型倒産」が716件で、構成比83.4%と、前月を0.3ポイント、前年同月を2.4ポイントそれぞれ上回った。

 主な倒産企業として、観光関係ではテーマパーク経営のヒルトップ(岐阜県、特別清算)、不動産賃貸のいきかえりの宿滝波(山形県、民事再生法)などが報告されている。

 
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