内閣府はこのほど、景気ウォッチャー調査の1月分を公表した。景気の現状判断DI(季節調整値)は前月比3.1ポイント減の31.2と、3カ月連続で低下した。家計動向関連、企業動向関連、雇用関連の全てが低下。家計動向関連では、サービス関連が4.3ポイント減の22.8と、3カ月連続で低下した。景気の先行き判断DI(同)はサービス関連、飲食関連など全てが上昇した。
DIは宿泊業、商店など地域の景況を観察できる人たちに、3カ月前と比べた景気の現状や、2~3カ月先の景気について、「良い」「どちらともいえない」「やや悪い」など5段階で判断してもらい、結果を数値化したもの。
現状DIは、家計動向関連の住宅関連のみ前月から上昇。ほかのサービス関連、飲食関連、小売関連は低下した。小売関連が5.2ポイント減(30.8)と最も大きい下げ幅。飲食関連は1.0ポイントの減も、DIが15.1と最も低かった。企業動向関連は、製造業、非製造業ともに低下した。
12の地域別では、北海道、四国の2地域で上昇。近畿が横ばい。ほかの9地域が低下した。
先行きDIは、全体で3.8ポイント増の39.9。このうちサービス関連が5.9ポイント増の39.0。飲食関連が8.2ポイント増の37.5。
地域別では、沖縄のみ低下した。
景気判断理由で主な回答は次の通り。
「Go Toトラベルキャンペーンの一時停止および緊急事態宣言の再発出に伴い、年末年始から非常に厳しい状況が続いている」(現状、悪、南関東、都市型ホテル)。
「観光客が来ないので、飲食店、ホテル等からの発注が上がってこない。スーパーも落ち着いている状態が続いている」(現状、悪、甲信越、食料品製造業)。
「Go Toトラベルキャンペーンの一時停止と緊急事態宣言を受けて、客の動きがかなり悪くなっている」(現状、悪、九州、観光旅館組合)。
「季節が春に向かう中、新型コロナウイルスの感染状況も減少傾向になると見られることから、景気は今よりも上向くと期待している」(先行き、やや良、北海道、観光名所)。
「3カ月先の先行予約状況としては一般団体の旅行案件はいまだにゼロ状態であり、Go Toトラベルキャンペーンの全国一斉停止が延長となれば、旅行業界の悪化に歯止めが掛からず、深刻な状況に陥ってしまう」(先行き、やや悪、東北、旅行代理店)。
「客がキャンセルで消失している状態のため、これ以上悪くなることはないが、緊急事態宣言の解除、Go Toトラベルキャンペーン等が実施されなければ、このまま低空飛行で終わってしまう懸念がある。政府には適切な新型コロナウイルス対策とともに宿泊観光業界に対しての支援策を配慮してほしい。政府の対策なくして景気上昇はない」(先行き、不変、東海、観光型ホテル)。
「新型コロナウイルス感染症の長期化により不透明感が強まっている」(先行き、やや悪、四国、観光型旅館)。