【体験型観光が日本を変える431】冬季も魅力豊富な体験型観光 藤澤安良


 冬季オリンピックがイタリアのミラノ・コルティナで開催されており、日本選手の活躍は目覚ましいものがある。そして、際どいところで順位を落とすなど惜しい場面も続出している。それでもメダル獲得数は過去最多の前回を上回るペースといわれており、テレビの特番やニュースで活躍を見聞きし日本人として誇りに思っている。

 一瞬のために少なくとも4年またそれ以上、さらには幼い時から夢に描いて努力し持続してきたマインドに頭が下がる。また、スポーツマンシップの面においても、戦ったもの同士が国を越えても互いにたたえあう姿は心温まる美しい光景である。

 一方で、運営や審判で人間が行うことゆえミスや間違いが起こると開き直られても、その決着も仕方ないで済まされないし誰も望んでいない。AIが進化するとともに人間のあらゆる面での能力が追いついていない。むしろ、退化しているのではと思う場面もある。

 航空機や新幹線で移動する機会が多い。到着前のアナウンスで「お忘れ物が増えています」というが、記憶にある範囲では四半世紀前から同じフレーズが使われている。注意喚起の方便だろうが、額面通りなら人類はどんどん忘れ物を増やし続けていることになる。つまりは、退化し続けていることになる。

 統計はともかく、殺人と詐欺犯罪による被害も増え続けているように思えてならない。人をだまし、人を殺す人としてあるまじき行為の増加は人間力の退化に思えてならない。経済や金銭の豊かさを追いかける傾向の今日、人間性の根本、人としてのあり様についても進化しなければならない。

 体験交流は人間力を高める効果が明らかである。冬季オリンピックの活躍はウインタースポーツに駆り立てられる面もあるが、除雪に悩む豪雪や雪下ろし事故のニュースが報道されると、雪国への足は遠のき、雪見の風情を楽しむ気持ちが薄らぐ。

 しかし、豪雪や激寒ゆえの光景があり、味覚もある。関東圏で42年ぶりの、北海道では冬の日常的な気温のマイナス10度前後の最低気温となり、各地で水道管の凍結が起こり断水する地域もあった。

 その後、寒い東京から高知へ飛んだ。昨日まで3度でしたと言われたが、到着日は快晴で15度。春のうららかな日差しや出会う人々の人情でさらに温もりを感じた。太平洋に面した高知はお魚の宝庫で、居酒屋では取れたての地元産のお刺し身が数種類あり、定番のカツオとマグロをいただいたがとてもおいしく至福の瞬間であった。

 全国どこへ行っても厳しい自然の中から収穫したものはいずれもおいしい。冬はやっぱり味覚である。雪国も魅力だが、暖かさを求めて南方に向かうのもいい。

 時折しも、中国は春節に当たり、最長9連休になるという。中国政府は日本への渡航を自粛するように呼び掛けており、その数は激減している。しかし、他の多くの国から寒くても雪が降ろうとも観光客が訪れており、日本人以上に日本の魅力を探索し、発見し、楽しんでいる。日本人も見習いたいものである。

 
 
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