旅館・ホテルの経営において、コンプライアンスの意識が希薄になってしまう最大の要因は、組織の閉鎖性にある。旅館業界や地域の組合など、利害を共にする限られた範囲での交流に終始していると、世間一般の常識とのズレに気づくことができない。業界内の当たり前が、社会的には著しく不当なものと断じられるケースは少なくないのだ。このリスクを回避するには、多様な考え方を持つ外部組織との交流を意識的に増やすべきである。他業種が集まる経済団体や市民団体、異業種交流会へ経営層や次世代リーダーが積極的に参加し、異なる視点に触れる機会をつくりたい。多様な価値観に触れることは、組織の盲点に気づく力を養い、社会的なバランス感覚を維持するための実効性のあるトレーニングとなる。
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