【Jack高橋のユニバーサルフードとインバウンドの未来35】インバウンド食の多様性対応とアレルギー対応は同じです 高橋敏也


『アレルギー対応の教科書』

『アレルギー対応の教科書』

 インバウンド観光客の増加に伴って急務となっている「食の多様性」と「アレルギー対応」についてお話しします。

 日本を訪れる外国人観光客が増加する中、これまで日本に来ていなかったさまざまな国から、多様な食の対応を必要とする方々の来日が増えています。

 例えば、ムスリムの観光客は、これまでのASEAN諸国中心から、ドバイ万博の影響もあり、中東エリアや欧米からの来日も着実に増えています。さらに今後インドからの観光客が増加すれば、日本ではこれまでほぼ未対応だったヒンドゥー教やジャイナ教への配慮も必要になってきます。

 宗教対応以上に複雑なのが食物アレルギーへの対応です。日本のルールでは表示義務と推奨を合わせた計28品目が基本ですが、この基準がそのまま通用するのは日本人だけです。世界の最低基準である「CODEX(コーデックス)」の8品目に対して、地域ごとに「義務」とされる品目にはかなりの違いがあります。

 例えば、EU、英国ではセロリやマスタードなど広範な14品目、カナダはゴマなど11品目、オーストラリア、ニュージーランドはロイヤルゼリー等に対する警告義務を含む10品目以上、韓国は22品目と多岐にわたります。

 特に日本料理で多用される「ごま」は欧米でアレルギーが急増しており、要注意です。また、日本では「くるみ」のみが義務化されているナッツ類も、海外ではアーモンドやカシューナッツなどが同等に危険視されます。

 このようにますまず広がる食の多様性とアレルギー対応ですが、解決に向けた基本は実は同じです。まずは「何が食べられないのか」「その理由は宗教か、アレルギーか、好き嫌いか」「どの程度なら大丈夫なのか」といったお客さまへの「ヒアリング」が非常に重要なポイントになります。

 これに対してどのような対応をするかは、事業者側が自ら提供する食事の「原材料に何が使われているのかをきちんと把握し、理解する」ことが不可欠です。まさにここがきちんとできていれば、かなりの部分で対応が可能になります。

 こうした外食・宿泊サービス事業者の皆さまに向けた食物アレルギー対策の入門書として、株式会社CAN EAT代表取締役の田ヶ原絵里さんによる『アレルギー対応の教科書』が発行されました。私自身も同書の中に、「原材料を知ることが。インバウンド対応の第一歩」という章を寄稿させていただきました。インバウンド時代の食の多様性に向き合うための第一歩として、皆さまの現場でぜひお役立てください。

 ※同書の詳細はこちら https://www.amazon.co.jp/dp/4867281506

(メイドインジャパン・ハラール支援協議会理事長)

『アレルギー対応の教科書』
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