熱がこもる各社の人事担当者らの説明(日本旅行のブース)
日本旅行業協会(JATA)は2日、東京の都立産業貿易センター台東館で「就職フェア2026」を開いた。来春(2027年3月)卒業予定の大学生らに向けた合同会社説明会で、企業、学生とも昨年を大きく上回る数が参加。学生は昨年の倍以上がエントリーした。将来を担う「金の卵」の獲得へ各企業とも説明に熱がこもり、学生たちが熱心にメモを取ったり、質問したりする光景もブースのあちこちで見られた。
JATAの渡辺正樹事務局次長が開催に当たりあいさつ。業界の現状について「昨年、インバウンドのお客さんが初めて4千万人を突破して、消費額も9.5兆円まで拡大。この数字は輸出産業の中で自動車の17兆円に続く第2位だ。4年後の2030年には15兆円となり、皆さんがこの産業で働いている頃は自動車と肩を並べる日本を代表する産業に成長しているだろう」と説明。「今日は企業と存分に面談をして、(旅行業界で)活躍するための大いなるきっかけをつかんでいただきたい」と求めた。
今回の就職フェアは、企業の採用活動が解禁となったタイミングに合わせて実施。業界の人手不足が叫ばれる中、参加企業は昨年の28社を大きく上回る45社。参加学生はエントリーベースで昨年の254人から544人と、倍以上となった。会場も昨年の1フロアから2フロアに拡大した。

熱がこもる各社の人事担当者らの説明(日本旅行のブース)
企業が求める人材、学生が求める企業像はどのようなものか。企業の担当者、学生それぞれに聞いた。
日本旅行総務人事部・青山加奈氏
――どんな学生に入社してもらいたいか。
旅行以外の仕事も非常に増えている。興味が旅行以外の方や、さまざまな経験をしたい方、アイデアを持っていて、それを形にする過程を楽しみたいという方にぜひ入社していただきたい。
――社内の人手不足感は。
最近、新たにできた部署「インバウンド・グローバル事業本部」で、アラビア語やスペイン語など、今まであまり使われなかった言語が必要になっている。人材が足りず、今、専門人材を探しているところだ。
――事業の多角化で求められる人物像は変わってきたか。
競合する企業がコンサル会社やイベント会社など、従来から変わってきている。旅行が好き、英語ができる、という方に加え、旅行以外に広く興味を持っているという方に入っていただいても活躍の場があると思う。
――今の学生の特徴は。
ひとくくりにするのは難しいが、なんとなく興味があって(入社する)、というよりも、しっかりとライフプランを描いた上で入社する、という方が増えていると感じる。
――今回のフェアで感じたことは。
昨年まで出展していなかった。今回出展して、旅行業に興味がある方がこれだけ多くいらっしゃるのだと実感できた。ぜひ、そのような方にエントリーしてもらい、入社後に活躍をしていただきたい。

日本旅行の青山氏
T―LIFEホールディングス人事課長・大原昌人氏
――開催規模が昨年から拡大している。
主催するJATAから昨年より参加者が増えていると聞き、私どもは昨年の2人体制から4人体制に拡充して本日伺った。
――社内の人手不足感は。
業務問わずだ。新卒採用と併せて中途採用も行っているが、内定を出しても給与面などなかなか折り合いがつかず、採用に至るまで時間がかかる。
――どんな学生に入社してもらいたいか。
今はどちらかというと受動的な人が多い。積極的にいろいろと自分の考えを出してもらえるような人に来てもらいたい。ただ、入社の時点で転職サイトに登録している人が3割ぐらいいるという話を聞いて、これと思う人材を採るのがなかなか難しいと感じているところだ。
文教大学3年・庭月野(にわつきの)蓮さん
――フェアに参加した理由、目的は。
国際観光学科に所属しています。大学で学習を進めていくうちに旅行会社に興味を持ち、今回参加をさせていただきました。
――旅行業や観光業にどんな印象をお持ちか。
サービス業なので、お客さまと接する機会が多く、やりがいがある仕事かなと思います。
――どんな企業に就職したいか。仕事の内容や勤務条件、社風など。
給料などはそれほど重視しておらず、社内の雰囲気、やりがい、そして仕事をして楽しいと思えそうなところを中心に(企業を)見ています。
――入社後に取り組みたい仕事は。
個人旅行に携わる業務に就きたいです。
――将来の目標は。
入社した会社の中で、胸を張れるような人になりたいです。

庭月野さん




