風月堂の「チーズ饅頭」
バター、チーズといえば酪農王国・北海道が浮かぶが、「チーズ饅頭(まんじゅう)」はなんと南国・宮崎を代表するご当地スイーツ。宮崎市や小林、日向、高千穂など県内に200店以上を数える。
通常の饅頭と違うのは、皮はサクッと歯応えのあるクッキー生地で、中(餡(あん))は乳製品のチーズでなく、豆乳やカシューナッツ、ココナッツオイルなどで作る植物性のチーズクリーム。
これを基本に皮やクリームにチョコレート、クルミ、フルーツを加えるなど各店が工夫を凝らした多種多様なチーズ饅頭がある。1日に3千個以上を売り上げる店も少なくないという。
登場したのは40年ほど前。洋風味の饅頭をと工夫を重ねた県南・小林市の風月堂店主の伊藤光輝さんの考案という。しっとりのクリームチーズを堅めのスコーン生地で包んで焼いた「元祖チーズ饅頭」は今も人気が高い。
同じ頃、同じ市内で和洋ミックス味の「チーズまんじゅう」を販売した南国屋今門も元祖といわれる。
宮崎には長崎の「カステラ」、佐賀の「丸ボーロ」、鹿児島の「かるかん」のような絶対的看板菓子がなかったので、多くの店が意欲的に取り組み、みるみる広まったのだろう。
県外に知られるようになったのは、宮崎空港を離着陸する全日空のスチュワーデス(客室乗務員)の口コミから。その店が宮崎市内の菓子処わらべ。洋酒味のレーズン入り「チーズ饅頭」は、正午前にしばしば売り切れの人気商品。賞味3日なので地方発送はしていない。
取り寄せができ、おいしさで評判な一つに細かく砕いたアーモンドを生地に混ぜたお菓子の日高の「チーズ饅頭」がある。
「どのお店もプレーンの他にチョコレート、抹茶、クルミ、レーズン、フルーツなどいろいろありますので、食べ比べしてみてください」(宮崎市・久保田真弓さん)というようにどの町にも魅力的な饅頭がある。
「日本のひなた宮崎」は、太陽を浴びたマンゴー、キンカン、日向夏などのフルーツ王国だが、今は「チーズ饅頭」にも明るい陽が当たっている。
(紀行作家)
【メモ】
「元祖チーズ饅頭」=風月堂(0984.22.2987)、1箱6個入り税込み1131円
「チーズ饅頭」=お菓子の日高本店(0985.25.5300)、1箱4個入り税込み千円。
どちらも取り寄せ可。





