野水氏
専門家の派遣や補助金交付も
昨年開催された「大阪・関西万博」は、イノベーションを誘発し、それらを社会実装していくことを目指して、新たな技術を実証する「未来社会の実験場」として位置づけられました。
それらの技術の一例として、総務省と国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発した多言語翻訳技術を用いた「EXPOホンヤク」などの翻訳アプリが挙げられます。
多くの来場者が翻訳アプリにより「言葉の壁」から解放され、他国の人々と円滑なコミュニケーションを図ることができました。今後、観光案内システムやコールセンターなど観光分野でのさらなる利活用が期待されています。
このようにICT(情報通信技術)は急速に発展しており、社会のあらゆる分野でその活用が進められています。
観光分野においては、たとえば、地域への誘客のためには、その歴史、自然、食、暮らしなど、独自の魅力を知ってもらい、訪れたいと思ってもらうことが必要であり、地域の魅力を伝えるコンテンツをネットや放送で効果的に発信することは、そのための重要な方策です。
一方、人々の情報収集方法は、SNSやAI(人工知能)が広く使われるようになるなど大きく変化してきています。近畿総合通信局は、こうした変化に対応して動画、ウェブ検索、AIなどの技術の活用により地域コンテンツ発信の効果を高める手法を紹介するセミナーを開催するなど、地域コンテンツの流通促進に取り組んでいます。
過去に開催したセミナーでは、たとえば、AIを用いた広告動画作成やターゲティング広告、マップ上への効果的な情報表示の実例などを紹介しました。
さらに、近畿総合通信局は、観光振興に係る地域課題のICTによる解決を支援するため、地域情報化の専門家の派遣や補助金の交付を行っています。兵庫県加東市では、派遣された専門家の助言も踏まえて、ICTを活用した宿泊型の観光体験商品(謎解きマーダーミステリー)が開発、実施されました。
チャットアプリを活用したイベント進行により参加者の体験価値を向上させるとともに、人的負担を抑えつつ滞在時間の延伸と宿泊促進を実現し、新たな来訪動機を創出しています。
また、奈良県明日香村では、補助金を活用して無線LANやネットワークカメラ等を令和7年度に整備し、来訪者の動きをデータで可視化・分析して観光施策に役立てるデータ活用型DX(デジタルトランスフォーメーション)を今後展開していきます。
近畿総合通信局は、今後も、地域の課題に応じたICT利活用を促進することで、観光を含めた地域の振興を支援していきます。

野水氏




