【旅館経営ワンポイント講座 55】再生に成功する経営者に共通すること 渡辺清一朗


 春の香りがどこからか漂ってくるこの時期。中でも靖国神社本殿裏にある梅林は格別だ。散策中自然と最近会った人たちのことが頭をよぎる。

 友人に連れていかれたスナック。「うちのお母さんが旅館をやってるんやけど、最近もう限界ってよく言うのよね。私はそんな旅館を継ぐわけにもいかず、こうやってスナックをやってるんです」。

 「そうなんだ。役に立つかどうかは分からないけど、これでも経営者のはしくれ、私が一度話を聞いてもいいよ」とまあ、こんな流れで経営相談に乗った。

 有名温泉地の小規模旅館。先代から経営を引き継いだ女将も老齢の域に達していた。近年の設備投資もままならず施設は古く単価も低い。また、その温泉地自体も新陳代謝が遅れ老朽化した施設や取り壊されて空き地となったものも散見される。元本返済がままならないばかりか金利も滞り始め、個人の蓄えもすべてを資金繰りに投入。必死のやりくりで何とか営業を続けていた。

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