東京工科大学は2月9日、デザイン学部の学生が発案したオリジナルクラフトビール「湯紡麦(ゆつむぎ)」を株式会社大鵬と共同開発し、大田区内16の銭湯と3店舗で発売開始したと発表した。都内最多を誇る大田区の銭湯文化に着目し、4つのエリアの個性を表現した4種類を展開。湯上がりに地域の魅力を味わう新たな楽しみ方を提案している。

地域密着型教育プログラムから生まれた商品化第3弾
同大デザイン学部では、地域の魅力抽出からコンセプト立案、製造、商品化、宣伝、販売までのプロセスを体験的に学ぶ実践的デザイン教育プログラムを実施。今回は3年生有志45名が参加し、大田区内のクラフトブルワリー3社の協力のもと、12チームによる新商品開発コンペを開催した。
3チームの企画が採用され、「湯紡麦」は第3弾として商品化。2024年の試験的実施で生まれた「白蒲田」に続き、2025年9月には第1弾「包(ほう)」、11月には第2弾「Yachiyo(やちよ)」が発売されている。
4エリアの個性を表現した4種類のビール
学生チーム4名(長見夏希、伴場はるひ、溝口雄大、三浦悠翔)が企画した「湯紡麦」は、都内最多32の銭湯が登録される大田浴場連合会の協力により実現。蒲田・大森、羽田、池上、六郷の4エリアそれぞれの特色を副原料や味覚、色あい、ラベルデザインで表現した。
「湯紡麦 蒲田・大森」は、モザイクホップを使用した最もビールらしいスタンダードな苦味のペールエール。人が行き交う中心街としてのまちを表現している。はすぬま温泉、改正湯、蒲田福の湯、あたり湯、天狗湯、大森湯で販売される。
「湯紡麦 羽田」は、日本の玄関口をイメージした富士山ブルーの色合いにスペアミントの香りをプラス。苦味のない爽やかな味わいが特徴で、天神湯、幸の湯で楽しめる。
「湯紡麦 池上」は、梅の名所「池上梅園」から着想を得て副原料に梅シロップを使用。淡い色に甘さのある飲みやすさで上品なまちのイメージを表現している。八幡浴場、明神湯、調布弁天湯、COCOFUROますの湯、久が原湯、第二栗の湯、桜館で販売。
「湯紡麦 六郷」は、カラメル麦芽と副原料のハチミツを使用した茶色のビール。香ばしく優しい風味で、あたたかい下町情緒あふれるまちを表現している。第一相模湯で販売される。
全店舗ではビアバー「羽田バル」、ブリューパブ「RE.beer」、レストラン「HANEDA SKY BREWING」の3店舗で全4種類が楽しめる。
学生の想いが込められたネーミングとデザイン
「湯紡麦」というネーミングには、湯と人、人と人を紡ぐという思いが込められている。商品概要は330ml、発泡酒、アルコール度数4~5%、税込660円(一部店舗を除く)で、製造は株式会社大鵬が担当している。
学生チームは「私たち4人にとって、この企画はとても特別なもの。長い時間をかけ、多くの方々のご協力をいただきながら湯紡麦を作り上げた。これまでにない制作体制や試行錯誤の連続に苦労することもあったが、そのひとつひとつの経験があったからこそ、より4人の想いが強くこもった麦酒になったと感じている。湯紡麦を飲む時間が、大田区の物語をあたたかく紡いでいく、そんな一杯を楽しんでいただけたら嬉しい」とコメントしている。
ラリーキャンペーンも実施
4エリアのビールについたシールを4種類集めた先着20名には、オリジナルグラスがプレゼントされるラリーキャンペーンも実施。景品交換場所はRE.beerとなっている。
大田浴場連合会には32の銭湯が登録されており、都内屈指の濃さの「黒湯(くろゆ)」と呼ばれる温泉を楽しめる銭湯も多数ある。今回の取り組みは、地域の文化資源とクラフトビールを融合させた新たな地域活性化の事例として注目される。
株式会社大鵬は1961年設立で、飲食業、酒類小売卸業、酒類製造業、コンサルティングを手掛けている。「日本一優しい会社」をテーマに掲げ、障害者雇用にも積極的に取り組んでいる。
詳細は特設サイト(https://yutsumugi.tutcraft.com)で確認できる。




