マリオット・インターナショナルは2月16日、アジア太平洋地域(中国を除く)において2025年に3年連続となる過去最高の開発実績を達成したと発表した。約200件のオーガニック契約を締結し、28,000室以上を新たに開発パイプラインに追加。域内旅行需要の高まりと多様な市場におけるオーナーからの継続的な信頼を背景とした力強い成長を実現した。
契約件数32%増、コンバージョンが成長けん引
同社のアジア太平洋地域(中国を除く、APEC)では2025年に187件のオーガニック契約(28,000室超)を締結。前年比32%増という大幅な伸びを記録した。年末時点で400軒以上、86,000室超が開発パイプラインに含まれている。
成長の主要ドライバーとなったのがコンバージョンだ。既存ホテルのブランド転換が契約全体の35%を占めた。迅速な市場投入と強力なグローバル流通ネットワークへのアクセスを求めるオーナーに対するマリオットの価値提案を示している。
マルチユニット契約も全契約の約30%に達した。単一のホスピタリティプラットフォームを通じて複数市場およびブランドセグメントへポートフォリオを拡大したいという需要の高まりを反映している。
インドが最多99件、新ブランド「Series by Marriott」導入
2025年に契約件数が最も多かったAPEC地域の上位5市場は、インド、タイ、ベトナム、マレーシア、日本だった。中でもインドは99件、12,000室超と過去最高の契約数を記録。
マリオットは2025年、インドにおけるマルチユニット契約を通じて「Series by MarriottTM」を導入した。同契約により26ホテルが1日でブランド転換され、約1,900室が新たにポートフォリオへ追加された。年末時点で同ブランドはインド23都市に37施設(約2,600室)を展開している。
「Fern Hotels & Resorts, Series by Marriott」として運営される本ポートフォリオは、サステナビリティと地域性を重視したエコ志向ホテルコレクション。ブランドとして初のグローバル展開となる。
ラグジュアリー領域が戦略重点、新規契約の19%占める
2025年はラグジュアリー領域が引き続き戦略的な重点分野となった。同年のオーガニック契約客室数の約19%を占めた。JWマリオット、ザ・リッツ・カールトン、ラグジュアリーコレクションが最も多くの契約を獲得している。
マリオット・インターナショナルの「Intentional Traveler」調査からは、ウェルネスやパーソナライズ、目的志向の体験を重視する富裕層旅行者において、長期的な需要が継続していることが示されている。
主要ラグジュアリーホテル契約を相次いで締結
都市型およびリゾートデスティネーションにおけるラグジュアリーパイプラインを強化する中、2025年には主要ラグジュアリーホテルの契約を相次いで締結した。
「JW Marriott Hotel Johor Bahru」(2027年開業予定)はマレーシア南部における同ブランド初進出。ジョホール・バルが世界中の目の肥えた旅行者に向けた新たなデスティネーションとして発展する上で重要な役割を担うことが期待されている。
「Pottuvil, a Ritz-Carlton Reserve」(2032年開業予定)はスリランカ東海岸の手つかずの自然が残るエリアでの開業予定。自然・文化・地域性に根ざした没入型体験を提供する、希少性の高いラグジュアリーリゾートとして計画されている。
「The Ritz-Carlton, Fiji, Namuka Bay」(2032年開業予定)はフィジーにおけるブランド初進出。同社の同地域でのプレゼンス拡大とコーラルコーストへの新規参入を示すプロジェクトとなる。
「Fraser’s House, a Luxury Collection Hotel, Singapore」(2026年1月開業)はシンガポールで2軒目となるラグジュアリーコレクションホテル。ヘリテージ、デザイン、モダンラグジュアリーを融合した独自の魅力により、同ブランドの存在感をさらに高める。
ミッドスケール・ライフスタイルセグメントも成長
多様化したブランドポートフォリオはミッドスケールおよびライフスタイルセグメントにおいても成長をけん引した。インドにおける「Series by Marriott」の成功的な導入や、「Four Points Flex by Sheraton」の継続的な拡大は、進化する旅行者ニーズに応える柔軟でデザイン志向のブランドを地域全体で展開していくという戦略を示している。
700軒目の節目迎える、新興デスティネーションへ展開
2025年、マリオットはAPEC地域において109軒のホテルを開業した。同地域における700軒目の施設となる「Legacy Mekong, Can Tho, Autograph Collection」の開業により、ポートフォリオの大きな節目を迎えた。
ベトナム・メコンデルタのプライベートアイレットに位置する同ホテルの開業は、従来の主要ゲートウェイ都市にとどまらず、文化的魅力に富み成長が期待される新興デスティネーションへの展開を加速するという戦略を象徴している。
2025年末時点で、APEC地域におけるマリオットのポートフォリオは22カ国・27ブランド、730軒以上のホテルを展開。同年には、既存市場および新興市場の双方においてブランド初進出となる開業も相次いだ。
各地でブランド初進出、多様化進む
主な開業では、「The Laurus, a Luxury Collection Resort」(2025年10月開業)がシンガポールにおける同ブランド初進出となった。アジア有数の旅行およびビジネスハブにおけるマリオットのプレゼンス強化に寄与している。
「The Halcyon Private Isles Maldives, Autograph Collection」(2025年10月開業)は世界的に著名なリゾートデスティネーションであるモルディブに誕生。2つのプライベートアイランドを擁する独自のコンセプトで、プライバシー性や体験価値を重視する需要に応える。
「The Farm at San Benito, Autograph Collection」(2025年12月開業)はウェルネス志向のリゾートとして、同ブランドのフィリピン初進出を飾る施設。体験型およびウェルネスツーリズムへの需要の高まりに対応している。
「Moxy Kathmandu」(2025年12月開業)はネパールにおけるライフスタイルブランドの初進出。新興デスティネーションにおいて文化体験やアドベンチャーを求める若年層旅行者の増加を背景に展開された。
「オーナーの揺るぎない信頼示す」と地域プレジデント
マリオット・インターナショナルアジア太平洋地域(中国を除く)プレジデントのラジーブ・メノンは次のようにコメントしている。
「2025年における記録的な成果は、当社のブランドおよび運営プラットフォームに対するホテルオーナーの揺るぎない信頼と、地域全体におけるマリオットの成長基盤の強さを示すものです。域内および国際旅行需要の持続的な回復に加え、多様化したポートフォリオにより、市場・セグメント・開発モデルを横断した戦略的な拡大を実現しています。今後も、新興デスティネーションへの進出やコンバージョン、マルチユニット契約の加速を通じて、オーナーへの長期的な価値創出と、現代の旅行者に共鳴する魅力的な体験の提供に注力してまいります」
堅調な開発パイプライン、域内需要の高まり、そしてラグジュアリー、プレミアム、セレクトサービス、ミッドスケールといった多様なセグメントを網羅するポートフォリオを背景に、マリオットのAPEC地域は2026年も引き続き、オーナーおよびゲストに向けた持続的な成長と長期的価値の創出に向けて、確かな基盤を築いている。




