一般財団法人運輸総合研究所は2月19日、運輸総合研究所ワシントン国際問題研究所(JITTI)と米国公共交通協会(APTA)が3月27日にワシントンD.C.で「日米鉄道シンポジウム2026」を開催すると発表した。鉄道がもたらす「経済効果」と「顧客体験向上」について、日米の関係者が多角的に議論する。
同シンポジウムでは、日本のなにわ筋線整備やうめきた(大阪駅北地区)開発、米国の北東回廊における鉄道改良などの大規模プロジェクトを具体例として取り上げる。
また、2021年東京五輪、2025年大阪・関西万博、2028年ロサンゼルス五輪といったメガイベントも議論の対象とする。

前回シンポジウムでの成果を発展
2024年4月に両機関が共催した前回シンポジウムでは、「鉄道は経済インフラの不可欠な一部である」との認識を共有した。今回は日本の鉄道車両メーカーによる米国インフラへの貢献という視点も加え、経済的な関係深化と両国関係の強化につながる議論を行う。

2024年の日米鉄道シンポジウム
両国で進む大規模鉄道プロジェクト
米国では2026年10月以降に新たな陸上交通授権法案の議論が本格化する中、北東回廊におけるトンネル改良工事、新型アセラ車両の導入、ニューヨーク・ペン駅の再開発など大規模プロジェクトが進行。
2028年ロサンゼルス五輪を見据え、ロサンゼルス国際空港への鉄道接続改善をはじめとする公共交通整備も急ピッチで進められている。
一方、日本では東京地区で高輪ゲートウェイシティが2026年3月28日に全面開業予定。大阪地区ではなにわ筋線の整備や大阪駅北地区(うめきた)の開発が進行中だ。
2021年東京五輪に向けた多言語対応やバリアフリー化、2025年大阪・関西万博に向けた鉄道整備など、国際イベントを契機とした取り組みも積み重ねられてきた。
日本の鉄道車両メーカーは米国市場への進出を加速させており、車両供給や現地工場の創設を通じて米国の鉄道インフラ強化と地域経済への貢献を拡大している。
シンポジウムの意義と目標
JITTIとAPTAは2018年に連携強化に合意して以来、協力関係を深めてきた。2024年4月には都市間および都市内鉄道ネットワークが生み出す社会的・経済的価値について議論。
今回のシンポジウムでは、具体的な鉄道整備プロジェクトの経済効果やメガイベントを契機とした顧客体験向上の実践事例について、日米両国の知見を結集する。政策形成や事業展開に活用できる実践的な示唆を導き出すことを目指す。鉄道がもたらす「経済効果」と「顧客体験向上」について多角的な議論を行うことは、両国の経済発展と日本の鉄道産業の国際競争力強化にとって極めて重要な意義を持つとしている。
開催概要とプログラム
シンポジウムは2026年3月27日(金)午前4時から午前7時(日本時間)、現地時間では3月26日(木)午後3時から午後6時に開催される。
会場は米国ワシントンD.C.のRonald Reagan Building and Int’l Trade Centerで、YouTube Live併用、日英同時通訳付きで実施。参加費は無料。
日本時間早朝の開催のため、事前登録者には録画配信も案内予定だ。
主なプログラムは両国政府関係者による基調講演と2つのパネルディスカッション。テーマは「鉄道投資と経済効果」「メガイベントと公共交通の安全性とアクセシビリティの改善」。
著名な登壇者が参加予定
開会挨拶は運輸総合研究所の宿利正史会長が行い、来賓挨拶では米国公共交通協会のポール・スコウテラス会長、山田重夫駐米日本国特命全権大使が登壇。
基調講演では国土交通省の寺田吉道国土交通審議官が講演予定。
パネルディスカッション1「鉄道投資と経済効果」では、ニューヨーク地域計画協会のトム・ライト社長兼CEOがモデレーターを務める。パネリストには西日本旅客鉄道の武市信彦常務執行役員、日立レールの三浦英俊シニアディレクター、ニューヨークMTAのジャノ・リーバー会長兼CEOらが参加。
パネルディスカッション2「メガイベントと公共交通の安全性とアクセシビリティの改善」では、ユタ州運輸局のカルロス・ブラセラス局長がモデレーターを担当。東京地下鉄の山上範芳常務執行役員、大阪市高速電気軌道の江口清司執行役員、ロサンゼルス郡都市交通局のコナン・チャンCOOらがパネリストとして議論に参加する。
全米桜祭りの公式イベントとして開催
本シンポジウムは全米桜祭り協会と連携し、2026年3月20日から4月12日までワシントンD.C.で開催される「全米桜祭り」の公式イベントとして実施される。
参加申込みは専用URLから可能で、申込締切は3月24日(火)17時(日本時間)。会場参加は定員に達し次第締め切られる。
前回の「日米鉄道シンポジウム2024」(2024年4月12日開催)では、都市間及び都市内鉄道ネットワークが創造する価値について議論。概要や講演資料は運輸総合研究所のウェブサイトで公開されている。
運輸総合研究所は日本財団の助成を受けて活動を行っている。





