【日旅連総会特集2026】ソリューション事業の26年度重点施策 日本旅行取締役兼執行役員・福岡雄二氏に聞く


日本旅行取締役兼執行役員ソリューション事業本部統括副本部長・福岡雄二氏

日本旅行取締役兼執行役員ソリューション事業本部統括副本部長・福岡雄二氏

地域ごとの「エリア戦略」に取り組む

 ――昨年度の取り組みと成果について。

 福岡 コロナ関連の受託事業が2024年まで残っていたが、25年はなくなった。その意味で、当社のソリューション事業について、真の実力が試される1年でもあった。

 「公務・地域」「教育」「企業」「インバウンド」「ビジネストラベル」という五つの柱がある。

 全体として内容を見ていくと、企業については前年から2桁増やした。海外へのインセンティブが少しずつ戻っている。ミーティングビジネスも伸びている。

 企業セールスは「アカウント営業」ということで、企業のあらゆる課題解決に乗り出している。例えば人材の派遣や、企業の「健康経営」に関わる取り組み。年1回の旅行を扱う、ということではなく、企業が抱えるさまざまな案件を丸ごと扱う、ということが少しずつできてきた。

 公務・地域については、コロナ関連の受託がなくなったことで、前年から数字を落とした。ただ、コロナ前の19年の数字を上回っており、この分野でのソリューションについて、しっかりと実力をつけてきたと実感している。

 ――多くの自治体と包括連携協定を結んでいる。

 福岡 われわれとのパートナー、「重点自治体」をしっかりつくる、ということが昨年は図れたのではないか。

 防災協定を県レベルで結んだ事例もいくつか出てきている。地域で発災した際の被災者の受け入れや、発災地域への人の派遣などでお手伝いをするものだ。

 ――教育の分野については。

 福岡 今まで修学旅行の校数を取ることに力を入れてきたが、今は各学校が探究型学習にシフトしており、修学旅行以外の部分についても注力している状況だ。特に私学の需要が多く、われわれの仕事も増えている。

 ――少子化で教育旅行を取り巻く状況も様変わりしている。

 福岡 特に地方で学校の規模が小さくなり、修学旅行も旅行会社に依頼しないケースが増えてきた。逆に、数校が連合体となって依頼をするパターンもある。地方の学校に何度も足を運ぶのは大変だが、今はウェブがあり、商談を全てウェブで済ませるパターンもある。当社は昨年、「教育旅行サポートセンター」を立ち上げ、ウェブによる相談を受け付けているところだ。

 教育の分野では、SDGsに関する国際会議「サステナブル・ブランド国際会議」に参加する高校生を選出する「SBスチューデント・アンバサダー・ブロック大会」を運営している。今年から沖縄が加わり、全国10ブロックで展開する。地域の生徒、自治体、企業の関係者が登壇し、研究発表やディスカッションを行う場で、地域における産官学の連携がこの取り組みにより活性化している。

 ――インバウンドについて。

 福岡 上期まで絶好調で、前年比120%ぐらいの扱いだったが、皆さんご承知の「夏の風評」のせいで歩みが止まってしまった。10月から盛り返したが、中国の問題で、その方面からの需要が落ち、総じてみると前年並みとなった。

 ――中国の動きはなかなか見通せない。

 福岡 航空機の3月までの減便が決まっている。春節の時期は、本当は一番の稼ぎ時なのだが、今年はちょっと難しい。3月から4月にかけては桜の時期で、中国からはもとより、欧米からのお客さまも多くいらっしゃる。当社はもともと欧米市場が得意で、この方面からのお客さまを増やしたい。

 ――今年の展望を。

 福岡 会社が新しい5カ年の中期経営計画を始動させた。われわれとしてはお客さまとの接点を増やし、ソリューションをしっかり行うことが取り組みの柱となる。

 今までポートフォリオ経営ということで、先ほど述べた五つの柱で事業を進めてきたが、今年はそれとともに、地域ごとの「エリア戦略」に取り組む。東京、中核都市、地方都市と、三つのカテゴリーに分けて、それぞれのマーケットに合った戦略で取り組む。

 東京は企業の数が多く、年間契約などで企業の需要全てを取り扱うことに力を入れる。

 東京にある中央省庁の案件も取り込みたい。中央から発生した案件は地方にも波及するので、しっかりと取り組まなければならない。

 学校は私学が多く、先ほど述べた探求型学習について、新しいコンテンツをどんどんつくり、提案する。

 政令指定都市を中心とする中核都市は、自治体との包括連携協定をさらに結び、当社が「ナンバーワン企業」といわれるような都市を増やしたい。

 地方都市に関しても、まちの仕事全体を発注いただけるよう、パートナーとして信頼される関係を構築したい。

 ――日旅連会員に向けて。

 福岡 今までわれわれはお客さまを送る側、旅館・ホテルの皆さまは受ける側という、ある意味単純な関係だったが、これからはさまざまな問題を共に解決する共創パートナーになっていただきたいと、会員の皆さまには申し上げている。

 地域の課題であったり、旅館・ホテル個々の課題について、われわれができることであれば、取り組ませていただきたい。

日本旅行取締役兼執行役員ソリューション事業本部統括副本部長・福岡雄二氏
日本旅行取締役兼執行役員ソリューション事業本部統括副本部長・福岡雄二氏

 
 
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