奈良大会の様子
全国旅行業協会(ANTA、近藤幸二会長)は11日、「第20回国内観光活性化フォーラムinなら」を奈良市のなら100年会館で開き、全国のANTA会員などに奈良県の観光魅力をアピール。同県へ10万人を送客するキャンペーンの実施を決定した。
高市首相「日本人の国内旅行は極めて大切」
開会式では、地元実行委員会の中島昭人委員長による開会宣言の後、近藤会長が主催者あいさつで登壇。「奈良は、歴史と文化の宝庫だ。奈良女子大学の教授からは、『学生たちが歴史と文化に興味を持ち、観光イベントに参画できると本当に喜んでいた』とうれしいお言葉をいただいた。地元や観光団体、行政、学生も含め、参加をいただき本当にうれしく思う」と謝辞を述べた。前会長・二階俊博名誉会長への感謝や、引き続き観光庁と強く連携していく姿勢を示した。

ANTAの近藤幸二会長
同県出身の高市早苗首相の言葉も披露された。「日本人が各地を旅行することは極めて大切であり、(政府では)観光消費全体の7割以上を占める国内旅行の活性化に取り組んでいる。国内外の旅行者が奈良をはじめとする日本各地にいらしてくださるための大きな弾みとなることを期待している」とのメッセージが代読された。
来賓あいさつで登壇した観光庁の村田茂樹長官は、昨年の大阪・関西万博への感謝を述べた上で、策定が大詰めを迎えている第5次観光立国推進基本計画に言及。「インバウンドは極めて重要だが、日本人の国内旅行の促進にも努めていく。施策の実現には、全国各地域の魅力を熟知する地域の観光関係者とのネットワークを構築している、旅行業の皆さまの活躍が不可欠だ」とし、魅力ある商品の造成や、地域への誘客促進に期待を示した。
山下知事も登壇 「安い、狭い、浅い奈良」克服へ
歓迎あいさつでは、山下真知事、奈良市の鈴木千恵美副市長が登壇。山下知事が県の観光状況や課題を報告したほか、鈴木副市長が仲川げん市長のメッセージを代読。市の「持続可能な観光」アクションプランの概要を紹介した。
山下知事は、2024年は4362万人の観光客が訪れたことを報告。その上で、県が抱える課題を「安い、狭い、浅い」というフレーズにまとめて紹介した。
「安い」は、来訪した観光客のうち、宿泊者が1割にも満たないことを意味する。実際に観光客1人当たりの県内消費額は5千円程度で、全国最下位となっているとした。
「狭い」は、宿泊地は大阪や京都に集中しがちで、奈良県には日帰りで奈良公園や大仏を観光して帰ってしまう現状があると報告。斑鳩町や桜井市など、各地の豊富な観光地を紹介した。
「浅い」も、奈良公園の鹿や大仏だけが注目されている現状を指し、8世紀に存在した都の建造物や遺跡、古墳群などの魅力を紹介した。
その上で山下知事は「奈良県には、昨年くらいからフォローの風が吹いている」と強調。昨年開催された大阪・関西万博では多くの外国人観光客が来訪したことに加え、今年7月には「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」が県内四つ目の世界文化遺産に正式登録される見込みだと紹介した。「私がお願いしたいことは一つだけだ。奈良県を組み込んだ旅行商品をたくさん作って、ガンガン売ってください」と笑いを誘い、協力を呼び掛けた。

山下真知事
奈良市の鈴木副市長は、仲川げん市長のメッセージを代読した。昨年の万博で増加した観光客のさらなる誘客に向け、継続的な広域連携による観光活性化に向けた施策として市の「持続可能な観光」アクションプランを紹介。市内の自然環境や生物多様性の維持・保全、歴史的・文化的・技術的に重要な有形・無形の資源を、将来にわたって継承し、その豊富化・価値化を図ることを柱としていると説明した。
「奈良は豊かな歴史・文化遺産に恵まれていると同時に、日本酒やぬか漬けといった伝統の食文化、またラーメンやかき氷といった新しい食文化が交差する食の魅力にも富んだ町。訪れる方々により深い満足をお届けできる観光を目指していく」と強調した。
次回大会は仙台市で 2月4日に開催
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