【WFTGA2026】世界47カ国の観光ガイドが長崎で平和宣言 プロの矜持で語り継ぐ「持続可能な観光」の未来展望


平和祈念像をバックに、総会参加者全員で記念撮影

 日本初開催となった「第21回世界観光ガイド連盟(WFTGA)総会」のポストプログラムとして、2026年2月14日、長崎市平和公園にて平和宣言署名式「レガシープロジェクト」が執り行われた。世界各国のプロの観光ガイドら約400人が集結し、被爆地から「平和と持続可能な観光」への決意を世界に発信した。

11時2分、平和を願い黙とうを捧げる世界の観光ガイドら

 

 

被爆地・長崎から世界へ、ガイドが繋ぐ平和のバトン

 福岡市で開催された本総会は、世界70の国・地域から20万人以上の観光ガイドが加盟するWFTGAが主催する、ガイド業界最大級の国際会議である 。2月9日から13日までの5日間にわたる本会議を経て 、参加者は九州各地を巡るポストプログラムへと移行した 。

 

 14日午前、長崎市平和公園には、海外からの参加者380名に加え、ホスト役を務めた一般社団法人九州通訳・翻訳者・ガイド協会(K-iTG)のガイドや事務局関係者など、総勢400名以上が集まった 。

 

 式典の冒頭、K-iTGの水谷みずほ会長による式辞に続き、WFTGAのセバスチャン・フランケンバーガー会長が献花と折り鶴の奉納を行った。この折り鶴は、会期中のワークショップにおいて、長崎平和公園への献納を目的として参加者らが一羽ずつ折ったものである 。

 

職業倫理と真実の伝承、ガイドの役割を再定義

被爆地から平和への願いを語る長崎市の鈴木史朗市長

 

 長崎市の鈴木史朗市長は挨拶の中で、2024年に日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)がノーベル平和賞を受賞したことに触れ、被爆地として平和を訴え続ける重要性を強調した。戦後80年を迎え、復興を遂げた長崎の姿を紹介するとともに、参加したガイドたちにそのメッセージを母国へ持ち帰るよう呼びかけた。

 

ガイドの社会的責任を訴えるWFTGAセバスチャン会長

 

 主催者あいさつではWFTGAのセバスチャン会長が登壇し、「平和は人類共通の遺産である」と強調。観光ガイドは単なる案内人ではなく、歴史の複雑さや矛盾も含めて真実を伝えるプロフェッショナルであるとし、WFTGAが職業倫理や人間の尊厳、文化的感受性を重視したガイド業務の規範改定を進めていることを説明した。スピーチでは「サステナブル(持続可能)」「レスポンシブル(責任ある)」「インフルエンス(影響力)」といった言葉が繰り返し用いられ、観光ガイドの社会的影響力の大きさが改めて示された。

 

 続いて、長崎市長、WFTGA会長、K-iTG会長の三者による平和宣言への署名が行われ、観光を通じた平和発信の継続を確認した。最後に平和祈念像を背に参加者全員で記念撮影を行い、式典は厳粛かつ温かな雰囲気の中で締めくくられた。当日は曇りのち雨の予報であったが、式典中には一時的に晴れ間が広がり、参加者からは「奇跡のようだ」との声も聞かれた。

平和宣言に署名する(右側から)鈴木市長、セバスチャン会長、水谷会長

 

欧米豪市場への強力なインフルエンスに期待

 今回の総会およびポストプログラムの大きな特徴は、海外参加者の92%が欧米豪からの来訪者である点だ 。アジア圏からの観光客が9割を占める九州において、これほど欧米豪比率が高い国際会議は極めて珍しい。

 

 式典に参列した九州運輸局の進藤昭洋観光部長は、「彼らは観光ガイドのプロであると同時に、強力な観光インフルエンサーでもある。世界に『クールな日本』を発信してくれることによる経済効果は計り知れない」と、MICE開催がもたらす波及効果に期待を寄せた。

 

 ポストプログラムの参加者一行は長崎を後にし、今後、有田、広島、京都を周遊する「西のゴールデンルート」を体験する 。プロの目を通じて日本の歴史、文化、そして平和への歩みが世界に発信されることで、九州・日本における新たな観光需要の創出が期待される 。

平和祈念像をバックに、総会参加者全員で記念撮影

 

 
 
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