発表した杏林大学の大熊ゼミの皆さん
長野県観光機構(長野市)は昨年から、食を起点に地域の風土や文化に触れる「テロワールツーリズム」の一環として各大学と連携し、ワインをテーマとした若年層向けの観光振興に取り組んでいる。1月30日には、1年間の集大成となる合同成果発表会をオンラインで開催。若者の参加障壁を下げ、長野への来訪を促すツアー企画や情報発信の成果を共有した。
県は2013年、ワインによる地域産業振興の方向性を示す10カ年計画「信州ワインバレー構想」を策定。産地の集積や生産者の育成を進め、県内のワイナリー数は3倍以上増加した(今年2月時点で93軒)。
23年には「信州ワインバレー構想2.0」を打ち出し、持続的な産地形成やプロモーション強化、ワインをテーマにした観光振興など、新たなフェーズへと移行した。観光地域づくり法人(DMO)を担う同機構は、飲酒目的の従来型観光から、ワインをきっかけに土地の魅力を深く知ってもらうテロワールツーリズムへと再定義。高山村でのモデル実証事業や販路拡大、ガイド育成を進めるほか、大学と連携した次世代事業にも取り組んでいる。
発表会に参加したのは、杏林大学大熊ゼミと文教大学種村ゼミ、愛知淑徳大学野口ゼミ、地方創生に取り組む学生団体「Local Bridge学生局」の4チーム。オブザーバーとして、杏林大学外国語学部観光交流文化学科の小堀貴亮教授らが参加した。
杏林大学の大熊ゼミは、若年層がワインに触れる機会が少ない実態を踏まえ、「NAGANOワインが若者の人生の彩りを」をテーマに設定。昨年8月に視察で訪れた小諸市の「Komorokko Farm&Winery」を舞台に、1泊2日のガーデンパーティーツアーを企画した。作り手の思いや土地のストーリーを知ってもらう交流の場として位置付け、ワインを身近に感じられるコンテンツや、写真映えを意識した空間演出を盛り込んだ。
各チームはツアー企画に加え、ワイナリー視察などの様子をSNSで投稿するなど、若年層の訪問意欲を高める情報発信にも取り組み、その成果を報告した。
次世代事業を主導する同機構TXデザイン部の森本忠則氏は会を振り返り、連携して取り組むことの意義を強調。「他大学の学生との交流は、良い刺激を受けたのではないか。今後も地域・学生・機構が三方よしの関係を構築していきたい」。
今後は他県との差別化といった内容のブラッシュアップや、実施に向けた検討を各チームと進める。3月13日には同機構が今回の内容を含めた今年度のワイン観光振興事業の成果報告会を市内で開く予定だ。

発表した杏林大学の大熊ゼミ(天野日菜子さん、廣井りおさん、藤森愛里さん、森晴奈さん、安部結梨奈さん、神﨑優梨奈さん。順不同)





