インタセクト・コミュニケーションズ株式会社は2月6日、2026年の春節期間中(2月15日~23日)における中国人の日本旅行に関する調査結果を発表した。日本への渡航自粛ムードが懸念される中でも、日本旅行を決めるにあたって迷いがなかったと答えた中国人は6割を超え、「日本独自の文化・芸術(伝統工芸やアニメ)への関心」が訪日の最大の動機となっていることが明らかになった。
春節の海外旅行先、日本は第3位に
今回の調査は中国在住者3,995人を対象に1月15~17日に実施され、そのうち春節期間中に海外旅行をする2,869人、日本を訪問予定と回答した429人の結果をまとめたもの。
2026年の春節期間中の海外旅行先として最も人気が高かったのは「東南アジア」で38.7%(1,110人)、次いで「韓国」が16.5%(472人)、「日本」が15.0%(429人)と続いた。昨年の春節期間と比較すると、「日本」は9.3ポイント低下する結果となった。
しかし、訪日予定者に日本旅行を決める際に周囲の情報や社会的ムードによって迷いがあったかを尋ねたところ、61.5%(264人)が「全くなかった」と回答。内訳は「伝聞よりも、自分の目で見て感じることを大切にしているため」が19.8%(85人)、「これまでの滞在経験から、日本の魅力を自分自身でよく知っているため」が18.6%(80人)、「自分の趣味や関心を、外部の情報より優先しているため」が18.4%(79人)などとなった。
日本旅行の決め手は「日本文化とアニメ」
訪日の決め手として最も多かった理由は「日本独自の文化・芸術(伝統工芸やアニメ)への関心」で、回答者の55.9%(240人)と半数以上を占めた。次いで「以前、日本旅行をして素晴らしかった体験(リピート)」が22.4%(96人)、「円安による割安感」が10.5%(45人)と続いた。
また、訪問予定のエリアについては、「『ゴールデンルート』と呼ばれる東京、富士山、京都、大阪などのエリアに加えて、地方都市やリゾート地の両方」と回答した人が48.5%(208人)と最多で、従来の「ゴールデンルート」集中型から周遊型へと変化していることが明らかになった。
「モノ消費」から「コト消費」へのシフト顕著
日本滞在で特に予算を割いている(楽しみにしている)「体験」については、「地方の祭事・季節のイベント(雪まつり、夜桜、お祭りなど)の観覧」が最も多く36.8%(158人)、次いで「アニメ・ドラマの聖地巡礼や限定イベントへの参加」が30.8%(132人)、「地方の高級温泉旅館(一棟貸しや露天風呂付客室など、プライベート感のある滞在)」が29.1%(125人)と続いた。
これまで中国人観光客の特徴だった「爆買い」を象徴する「百貨店・免税店でのショッピング」は17.9%(77人)で9位にとどまり、「モノ消費」から「コト消費」へのシフトが鮮明になった。
日本のマナーや習慣、事前学習にも積極的
訪日にあたり日本のマナーや習慣について事前に調べたことについては、「ごみの分別や持ち帰りについて」が59.2%(254人)で最多となった。次いで「撮影禁止場所でのルール」が47.6%(204人)、「電車内や公共の場での話し声のボリューム」が46.4%(199人)、「温泉や大浴場の入浴マナー」が42.2%(181人)と続き、「事前に調べたり、気にかけたりしたことはない」はわずか6.8%(29人)に留まった。
インタセクトの海外広告推進グループ一部リーダーの辰巳亮氏は「訪日を予定している中国人観光客の6割以上が、日本旅行を決める際に迷うことが『全くなかった』と回答しており、日本の魅力や日本ならではの『体験』を重視し、訪日を前向きに検討している『日本ファン』が多くいることがうかがえる」と解説する。
また同氏は「今年の春節期間に日本旅行を予定している中国人観光客は訪日リピーターも多く、海外旅行をただ楽しむだけでなく、その国のマナーや習慣を大切にしながら異国ならではの『体験』を楽しむ、というスタイルに変化しつつあることがうかがえる」と指摘した。
この調査は、テンセント社が提供するメッセンジャーアプリ「WeChat」上のアンケート機能を使用して実施。回答者は北京市、天津市、上海市、南京市、蘇州市、杭州市、成都市、重慶市、広州市、深セン市の計10都市に在住する3,995人(男性1,755名、女性2,240名)で、年齢層は25~40歳が全体の約6割を占めた。




