「当館の強みは何か?」…これは陳腐な問いかもしれない。しかし行き着くところ、商売でも、経営でも、ここを考えることが、有効な手掛かりを探し当てる究極の着眼点だと思う。そして強みを考えることは、ポジティブな経営姿勢と直結する。そういうわけで、今回からしばらくの間、「強み」というものについて考えていきたい。
(1)強みは選ばれる理由につながっている
「強みがなければ戦えない」と言っては言い過ぎだろうか。ただ、今の旅館業界を見渡すと、自館の強みが明確に語れない宿、「なぜ当館が選ばれているのか」を自分たちの言葉で説明できない宿ほど、集客に苦労しているように感じる。幹部社員の集まりなどでSWOT分析を行うことがある。「当館の強み/弱みにはどんなものがあるか?」と出してもらうと、とかく弱点ばかりがたくさん挙がってくる。「立地が悪い」「施設が古い」「規模が小さい」―。だがそんなことをいくら並べても、当館が選ばれる理由には結び付かない。それどころか、「ウチは何が評価されているのか」「どこで喜ばれているのか」といった視点さえ、忘れられてしまっている場合がある。
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