地球温暖化より、北極の氷が溶け始めていることの影響からか、北半球、とりわけ日米加に大寒波が押し寄せ、ニューヨークやトロントにも交通がマヒするほどの積雪となった。日本では日本海側で記録的な大雪に見舞われている。
冬には大寒波と大雪、夏は猛暑と線状降水帯での豪雨。季節が二極化し、春と秋が短くなってきている。美しい四季ある日本の暮らしにも観光にも影を落としかねず、未来が心配になる。訪日外国人も日本人も桜や紅葉を求めて旅をする。その四季の彩りと移ろいも限りあるものなのかもしれない。
インバウンドの増加とともにオーバーツーリズムの問題も拡大している。羽田空港と成田空港を結ぶアクセス特急の沿線に住居と会社を持っているため、この路線の利用頻度が多いが、通勤時間帯以外でも満員であり、大きいスーツケースが車内の通路をふさいでいて、内心は邪魔だなあと思わずにはいられない。だが外貨獲得の種だとしてありがたいことと思うようにしている。
終点駅でも降りなかったり、黄色い線より下がってとアナウンスが流れてもどこ吹く風の様子であったり。習慣や社会環境が違うので当然だが、モラル、慣習、規則、法律をどう順守してもらうかも含めて課題は多い。
観光庁はオーバーツーリズム対策に取り組む地域を47カ所から2030年までに100カ所に倍増す方針を明らかにした。とにかく、外貨獲得額が増加し、経済効果が得られていると喜んでばかりはいられない。インバウンドは東京、大阪、京都等の都市型観光に偏っている。また、地方なら登山の富士山、スキーのニセコや白馬、花の富良野や美瑛など、一部の観光地に集中している。オーバーツーリズムの対策も必要だが、そもそも、魅力があるのにインバウンドがほとんど来ていない地域にとっては、どうしたら来てくれるのか、そちらも重要な対策であり、適切な政策も求められている。
さらには、観光は平和産業であり、所得に余裕がなければ旅行に結びつかない、生活レベルと密接な関係の産業でもある。日本人の国内旅行も海外旅行も伸び悩んでいる現状で、日本では衆議院選挙の真っただ中である。各政党の選挙の公約は専ら消費税減税が焦点となっている。手取りを増やすとか、暮らしに経済的な余裕が求められている。そのことからも、民衆受けする目先の課題に注目が集まる。地球温暖化の課題や未来を見通した政策が少ないことが残念である。
米国ではトランプ大統領が、2020年以降の気候変動問題に対する国際的な枠組みであり、気温上昇を抑える努力を追求し、温室効果ガスの削減に取り組むパリ協定からも脱退するとして、大統領令に署名した。アメリカファーストの成せる業であろう。
北極の氷が解けるだけで、国土が海に沈む国もあり、大寒気が訪れ、生活に大きな影響を及ぼすことになる。地球はつながっている。日本も含め、大国なら地球ファーストであってほしいものである。投票日が近づく衆議院選挙の候補者にも大局観を持ってほしいものである。




