前稿では、地方誘客予算の拡大と訪日市場の調整局面を背景に、観光WEB戦略の重要性が高まっていることを指摘した。本稿では、その先にある現場の構造課題と、今すぐ見直すべき実践論について考えたい。
地方誘客を進める中で、多くの事業者や自治体が直面しているのが、「施策は打っているが成果が見えにくい」という問題である。補助金を活用したサイト改修や多言語化、SNS発信などは進んでいるものの、集客や予約につながっていないケースは少なくない。その要因は、個別施策が戦略として統合されていない点にある。
特に顕著なのが、OTAと公式サイトの関係整理である。成長期においては、OTAは即効性のある集客手段として大きな役割を果たしてきた。しかし市場が成熟し、需要の奪い合いが起きる局面では、OTA依存は価格競争と利益率低下を招きやすい。にもかかわらず、公式サイトは依然として「情報掲載の場」にとどまり、選ばれる理由を十分に伝えられていない施設も多い。
会員向け記事です。





