鳥海氏
1月下旬、新千歳空港は大雪の影響で札幌市内へ向かうJR「快速エアポート」が運転見合わせとなり、さらに高速道路も通行止めになったことで陸の孤島となってしまった。
特に1月25日(日)の夜は、約7千人が空港で一夜を過ごした。飛行機自体も大きな遅れや欠航が相次いだが、除雪作業などを行うことで滑走路での離着陸が可能となり、結果として空港滞留者が増えてしまった。飛行機以外で新千歳空港から脱出することが難しくなり、多くの人が空港ターミナル内で一夜を明かすことになったのだ。
その要因としては、新千歳空港と札幌市内との距離が離れていることもあり、交通手段が寸断されてしまったことが挙げられる。今回は札幌市内も含めた大雪が広範囲に及び、鉄道だけでなくバスも運休が相次いだこと、またタクシーの営業範囲が札幌市内と異なることで、台数が限られていたことも影響した。
さらに、最近は国際線の便数が大幅に増加していることもあり、大きな荷物を持った外国人観光客が増えたことも要因となっているが、まさか飛行機が着陸できて、ホテルまで到達できないことになるとは思っていなかっただろう。
頼みのタクシーは、鉄道の運転見合わせ時などにおいて、営業区域外のタクシーも一時的に利用できる運用が行われているが、今回は札幌駅発着のJR線が全て運転見合わせになると札幌市内のタクシーも不足し、新千歳空港まで来られる台数が限られていた。
このような状況の中で、バスの存在は大きい。
1月25日(日)は高速道路の通行止めにより臨時バスの運行ができなかったが、翌26日以降もJR「快速エアポート」が運休、もしくは間引き運転となる中、新千歳空港から地下鉄大谷地駅バスターミナルへの臨時便を運行することで、空港から脱出することが可能となった。
JR北海道は1月28日・29日の両日、除雪作業の時間確保のため、21時以降に札幌駅を発着する列車を全て運休する措置を取ったが、その際も大谷地駅バスターミナルからバスを運行し、地下鉄と組み合わせて札幌市内への足を確保した。
今後は、鉄道が運転見合わせとなった際に、バスが走行する高速道路の除雪を優先するなど、空港に滞留者を出さないための流れを考える時期に来ている。
また実現は難しいものの、北海道新幹線の札幌延伸後に新千歳空港まで延ばすことができれば、解決策の一つになるかもしれない。
利用者も増加する中で、もちろん建設費の問題はあるが、新幹線を走らせることを考えてみるのもいいだろう。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)




