筆者の大好物の一つ、エスカルゴ・ア・ラ・ブルギニョン。フランス、ブルゴーニュ地方の郷土料理だ。殻からいったん取り出し内臓を除き、ハーブ入りブイヨンで煮た後、パセリとニンニク、エシャロット入りの「エスカルゴバター」とともに殻の中に戻しオーブンで焼く。レストランでメニューにあれば必ずオーダーするが、食欲をそそる香りを放ちながらジュワジュワと音を立てているそれを、アチチッと言いながら頬張れば、まさに口福♪
話は変わるが、シンデレラ・ストーリーの現代版映画「プリティー・ウーマン」で、主人公の娼婦が、お金持ちの実業家に伴い高級レストランに行き、エスカルゴトングをうまく使えず、殻付きエスカルゴに四苦八苦する様子が描かれていた。かつては高級料理の象徴だったワケだ。最近では、専用の耐熱皿に殻なしの身を直接入れ、エスカルゴバターとともにオーブンで焼くスタイルが多い。
レストラン「カプリチョーザ」でも、「エスカルゴのオーブン焼き」は耐熱皿ダイレクト・インの殻なしタイプ。タップリのエスカルゴバターに浸したパンも、最高♪ さらに、イタリアンファミレスチェーン「サイゼリヤ」でも「エスカルゴのオーブン焼き」を発見! なんと税別364円!! 爆安価格で有名な同店だが、原価率は大丈夫なのか? 耐熱皿の六つの穴に、カットしたエスカルゴが2個ずつ入っているのだ。公式サイトによると1979年に初登場。その後欧州企業との共同開発に成功、エスカルゴと発酵バターを現地調達・加工し直輸入できるようになり、発売時の半額以下に。
今更だが、エスカルゴとは食用カタツムリ。陸に住む巻貝で、魚介類に分類される。その歴史は古く、先史時代から食べられていたようだ。昔は野生のカタツムリを調理していたというが、現在はほとんどが養殖。野生のカタツムリは雑食なので寄生虫の心配もあるが、養殖は清潔な環境で、専用飼料で飼育される上、1週間ほど絶食させ、消化器官に残っている不純物を排出させた後、下ゆでして出荷するので安心安全だ。
エスカルゴの食用品種は主に4種類あるが、中でも最高級とされるのがブルゴーニュ種。エスカルゴの好物はブドウの葉といわれるが、ワイン用ブドウ畑で使う農薬の影響や、森の開発による環境破壊などで激減。他の品種に比べ養殖が難しく、多くは東欧産だとか。ただ、近年減農薬や無農薬でのブドウ栽培が盛んになり、エスカルゴの数が増えてきたらしい。ちなみに日本では、「三重エスカルゴ開発研究所」が、世界で初めて同種の完全養殖に成功。国産のエスカルゴが入手可能になった。
フランス発冷凍食品専門店「ピカール」で、殻付きエスカルゴの「ブルゴーニュ風」を購入したことも。下処理の面倒なエスカルゴが、210度のオーブンで12分焼くだけで、ムッチャおいしくいただけるのだからうれしい限り♪ また買っちゃおうかな? あぁ、白ワインが飲みた~い!
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。




