東京銀座、珍しく路面からのぞくことのできるオーセンティックバーが存在する。香港で研さんを積んだ若手バーテンダーが運営している。
扉の内側は外の喧騒(けんそう)がうそのように静かで落ち着いたカウンター。壁際に広がる数々の洋酒や日本のお酒を背景に、マスターから若いバーテンダーまで行き届いたサービスと話術、そして技術。外国人が特に好む卵白を使ったカクテルを作る時のドライシェイクからウェットシェイクへの流れなど見ているだけでも楽しい。
従って当然のように、品の良い客層が集う。その居心地の良さは、自分自身、仲間、技術、店、ありとあらゆる商品を磨き続けていることの賜物だと思う。生半可な努力ではコロナ禍以降の競争の激しい銀座で飲食店を続けることは不可能だ。
私自身、さまざまな業態の個人事業者・中小企業におじゃまする機会を得ているが、元気な個人事業者・中小企業には共通する三つのことが存在する。それは、(1)何が商品かということが明確で、その商品に徹底的に継続して磨きをかけ続けていること。(2)誰がお客さまかが明確で、そのお客さまと正直に真摯(しんし)に向き合い続けていること。(3)共に働く仲間を大切にし続けていることだ。
これらのことを旅館ホテル業に絞って考えてみたい。
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