日本旅館協会(桑野和泉会長)はこのほど、会員宿泊施設および業界で働く従業員が安心して働ける環境づくりを推進するため、「カスタマーハラスメント(カスハラ)に対する基本方針」を策定した。宿泊客による暴言や威圧的言動、過度な要求など、迷惑行為への対応を明確にした。
策定に当たり、労務委員会(山口敦史委員長=山形県・ほほえみの宿滝の湯)が中心となって調査・研究を進めてきた。昨年8月29日から9月29日、会員らに実施したアンケートによると、カスハラを経験したことがある経営者やスタッフは回答者全体の61%だったという。
基本方針では、カスハラを「お客さまから従業員に対して行われる著しい迷惑行為であって、従業員の就業環境を害するもの」と定義。暴力行為や暴言、脅迫、誹謗中傷、土下座の要求、長時間の拘束、不当、過剰な要求、個人情報などをSNSへ投稿する行為、セクシャルハラスメントやつきまとい行為などを例示した。
宿泊客への対応については、「カスハラに該当すると判断した場合は対応を打ち切り、以降のサービス提供を断る場合がある」「悪質と判断した場合、警察や外部専門家と連携し、毅然と対応する」「応対内容の事後的検証可能性などに備え、通話や応対内容を録音・録画する場合がある」―など具体的に明記している。
今後は基本方針をもとに、マニュアルやガイドブック、ポスターを作成し、現場での運用につなげていく予定だ。





