前回コラムでは、宿の未来を左右するのは成功事例やマニュアルといった情報の多さではないことを説明した。集めた情報を自館用に組み直し、各部門が同じ方向を向いて動けるように設計し、最後までやり切る力こそが問われるのである。
いま旅館・ホテルの経営者が最も警戒すべきは、仕入れた情報を断片のまま現場に落としてしまうことだ。良さそうと思った施策を次々と投じるほど、現場の歯車は狂い、利益も残りにくくなる。今回は、私が視察で目撃した「情報のつまみ食い」の典型例を紹介しよう。
あるホテルでは、他館の成功例にならい、朝食バイキングの目玉として海鮮丼やステーキを導入していた。集客のフックになり、写真映えもする。ここまでは理解できる。しかし、会場に入った瞬間、強い違和感を覚えた。
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