JTB、白馬村の「夕食難民」に挑む 観光地の食課題をポップアップ店で解決


 JTBは1月13日、食をテーマとした新規事業「Living Auberge」の一環として、観光地における食のオーバーツーリズム問題を解決するポップアップレストランの実証実験を開始すると発表した。第一弾は長野県白馬村で、2026年1月16日から4月4日まで開催される。

オーバーツーリズムが招く「夕食難民」

 インバウンド観光客の大幅増加に伴い、日本各地でオーバーツーリズムが社会問題化している。特に冬季の北海道ニセコや長野県白馬などのスノーリゾートでは、世界各国からの観光客が集中。観光客増に対応するため宿泊施設の開業が相次ぐ一方、「泊食分離」が進み、夕食を提供しない宿泊施設が増加している。

 この結果、白馬村では「夕食難民」が地域課題として顕在化。飲食店は増えているものの、同じ時間帯に予約が集中する状況だ。観光客だけでなく地域住民の外食ニーズも満たせず、双方の満足度低下を招いている。

 一方で、夏季と冬季の繁閑差が激しいスノーリゾートでは、新たに通年営業を行う飲食店の誘致も困難という状況だ。

料理人リレー方式でシーズン通して運営

 こうした課題解決のため、JTBは白馬村八方尾根観光協会と連携し、同村のホテル対岳館内でポップアップレストランを開設する。「Living Auberge」が構築したシェフネットワークを活用した新たな取り組み。

 実証実験では、Living Aubergeに参画する多ジャンルの料理人が白馬村に1〜2週間ずつ滞在し、料理人同士でバトンをつなぎながら冬季シーズン中運営する。料理人リレー方式による長期運営の試みだ。

 使用する食材は白馬村から半径100km以内で生産される地元食材を主に使用。「地産地消」や「ガストロノミー」のモデル実現を目指す。参画する料理人たちは、それぞれ地元食材や食文化をテーマにしたメニューを開発・提供し、食文化のさらなる進化に貢献する。

「シェフおすすめコース」6品で1万円から

 ポップアップレストランの詳細は以下の通り。
 
 開催会場はホテル対岳館(長野県北安曇郡白馬村八方5094)。期間は2026年1月16日(金)から4月4日(土)まで。木曜日は定休日となる。

予約はtablecheckで事前受付。当日も席に空きがあれば案内する。メニューは「シェフおすすめコース」(6品程度)が1万円から、「季節のコース」(4品程度)が6000円からとなる。アラカルトの有無やコース内容は担当シェフによって異なる。

 参画予定の料理人は大渕大樹シェフ、福崎義範シェフ、倉本岩男シェフ、藤田邦彦シェフ、伊東龍之介シェフ、西澤明奈シェフの6名。各シェフの詳細はLiving Aubergeのウェブサイトで紹介されている。

全国展開を視野に

 JTBは今回の取り組みについて、「地域課題の解決を目指すとともに、Living Aubergeに参画する多様な料理人が、Living Aubergeのインフラを活用し日本全国でポップアップレストランを展開し、地域のさまざまな食材と出会い、料理人にとっても研鑽の場となる仕組みを構築します」と説明している。

 今後は白馬村での運営結果を踏まえてモデル改善を行い、全国的な展開を視野にポップアップレストラン業態の拡大を目指すという。JTBは「『地域課題の解決』と『料理人の新しい働き方』の2つの価値を生み出し、地域社会と飲食業界に貢献していきます」としている。

Living Aubergeとは

 Living Aubergeは、JTBグループの新規事業開発プログラム「JUMP!!!」を契機に2023年に誕生した新規事業。独自の料理人ネットワークを基盤に、交流創造力を活かして多様な食関連のサービスを提供している。

主な事業内容は以下の5つ。

  1. ガストロノミープロデュース:ユニークベニューを舞台に、企業イベントやウェディングなど、たった一つその時限りの食事体験を提供
  2. パーティープロデュース:オフィスパーティーやケータリングなど、料理人ネットワークによる付加価値の高い出張パーティーを提供
  3. 出張料理人:別荘、滞在型ホテル、自宅などの多様な場所で、一流料理人による出張料理を提供
  4. ポップアップレストラン:観光地を中心に、料理人と地域課題をつなぎ合わせ、ポップアップレストランを運営
  5. かげろひ:文化・空間・食を融合させた没入型体験である、日本文化を主題とした新たなイベントブランド

今回の白馬村でのポップアップレストランは、このうちの「ポップアップレストラン」事業の実証実験となる。

 

 
 
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