「プランAI工房」提供開始
宿泊業界などに向けてさまざまなデジタルソリューションサービスを展開するかんざし(本社・東京都千代田区、秋山匡秀社長)は、宿泊施設向けの宿泊プラン一括管理ツール「かんざしクラウド」の新たな機能「プランAI工房」の提供を開始した。AI(人工知能)を活用して魅力的な宿泊プランの造成を支援する。観光分野におけるAIの活用に期待が高まる中、宿泊施設が求めていた待望の機能で、宿泊プランの魅力を高めながら、スタッフの作業負担の大幅な軽減も見込まれる。
AIがプランのタイトル・本文考案
宿泊施設担当者の作業負担を軽減
かんざし社は、大手ホテルチェーンから小規模旅館まで全国で約6千の宿泊施設が導入するウェブ管理業務効率化ツール「かんざし」シリーズを展開。旅館・ホテルにおける宿泊プラン管理、口コミ管理、写真管理、競合調査・料金分析・請求督促業務などのDX化を支援している。
「かんざしクラウド」は、複数の宿泊予約サイトに提供する宿泊プランを「まとめて作成したり、編集したり、期間延長したり」できるクラウド上のサービス。2014年のサービス提供開始以降、宿泊施設の作業負担を軽減し、業務効率化を支援してきた。その「かんざしクラウド」に加わった機能が「プランAI工房」だ。
「プランAI工房」は、担当者がこれまで手作業で行っていた宿泊プランの作成をAIが支援する。AIが宿泊プランのタイトル、本文を自動作成。自動作成された内容を確認・調整するだけで新しい宿泊プランが完成する。これまでクローズド・ベータ版として限定的に試験提供していたが、2025年10月28日、正式に提供を開始した。
「プランAI工房」の特徴は次の通りだ。
(1)「ぽちぽち」するだけで簡単作成
専門知識は不要。「かんざしクラウド」上で、造成したい宿泊プランのポイントを「ぽちぽち」と選択するだけで、AIが自動的にプラン内容を作成する。AI分野に出てくる「プロンプト」(AIへの指示)などの用語を理解していなくても、簡単に使いこなすことができる。
(2)誰でもできる
これまで特定のスタッフの経験や感覚に頼っていた宿泊施設でも、AIを活用することでスキルを問わず誰でも一定以上の品質の宿泊プランを考案可能。現場の課題とされてきた業務の属人化の解消にもつながる。
また、過去に造成した宿泊プランを元にしてつくり直すことも可能。予約販売の実績を踏まえてスタッフの経験の上で練り上げられた宿泊プランを素材に、誰でも新たな宿泊プランをつくり出すことができる。
(3)宿泊プラン作成で見落としがちな施設の魅力や販促文への気づきを得る
「プランAI工房」は、宿泊施設の魅力を自動的に文章化するロジックを搭載している。日常業務の中で見落としがちな施設の魅力や訴求ポイントがAIの力で盛り込まれることがある。「こんな表現もあったのか」「この季節ならこう打ち出せるのか」といった新しい販促アイデアの発見につながることが期待できる。
かんざし社の担当者は「プランAI工房」について、「満を持して登場した『かんざしクラウド』の新機能を存分にご活用ください。今後もかんざしは、お客さまの声に寄り添い、課題を解決するサービスの開発・提供を進めてまいります」と話している。
「プランAI工房」は、「かんざしクラウド」の標準機能として提供していく。既存の契約施設であれば、追加料金や追加の申し込みは不要ですぐに利用できる。

「プランAI工房」イメージ
利用施設の声 ~プランAI工房~
作業時間の短縮に手応え
ホテル&スパ アンダリゾート伊豆高原 副支配人 井上 真奈美さん
――これまで、AIによる文章作成については、自施設のブランドイメージには合わないのではないか、という印象をお持ちだったそうですね。
そうですね。私たちが大切にしている「フレンドリーな施設イメージ」に、AIで作成された文章がフィットするとはあまり想像できなかったんです。そのため「かんざしクラウド」の「プランAI工房」についても、正直なところ最初は大きな期待はしていませんでした。
――そうした印象をお持ちの中で、実際にお試しいただいた感想を教えてください。
手始めに既存のプランに対して追加の味付けをするとどうなるのか、実験的に使ってみたところ、当施設のエッセンスがきちんと反映されている点が良かったですね。
また、どのプランにも共通して入れているアクセスや送迎の案内など、いわゆる決まり文句を固定要素として設定できる点も便利だと感じました。さらに、一度作成した文章に対して、後から要素を追加して味付けをすることで、完成度を100%に近づけていける作りになっているところも魅力的でした。
――「プランAI工房」を使うことで、プラン作成業務の効率化については、どのような可能性を感じていますか。
今はまだ試している段階なのですが、使いこなせるようになれば、これまで草案作りに1時間ほどかかっていた作業が、5分程度まで短縮できそうな感覚があります。
――仮に作成時間が大きく短縮された場合、プランの内容や幅、販売の仕方に変化は出てきそうですか。
プラン数自体は、見やすさを重視してある程度絞っているため、単純に数を増やすことはあまり考えていません。ただ、季節やイベントごとに、よりキャッチーな切り口のプランを打ち出していくのは面白いと思っています。そういった意味では、プランの幅を広げるためのツールとして活用できそうだと感じています。また、構想自体はあっても、実際にプランを形にする際に「どんな表現にすればいいのか」と悩んだり、参考になるプランを探したりする手間が減るのも大きいですね。
――最後に、今後「プランAI工房」をどのような場面で活用していきたいと考えていますか。
現在は私一人でプランを考えていますが、「プランAI工房」があれば、他のメンバーにもプラン作成に関わってもらえるのではないかと期待しています。また、施設やブランドごとのエッセンスを抽出できるため、それぞれの特徴をしっかり打ち出したプラン作成にも活躍してくれそうですね。

ホテル&スパ アンダリゾート伊豆高原
魅力伝えるプラン作成
ホテルみや離宮 企画販売担当課長 Oさん
――はじめに、「かんざしクラウド」の利用状況について教えてください。
はい。新しい宿泊プランを作成する際には、毎回「かんざしクラウド」を利用しており、使用頻度はかなり高いですね。また、過去に作成した内容をそのまま流用するのではなく、基本的に毎回まっさらな状態から考えるようにしています。
――まっさらな状態からとなると、時間も手間もかかりますよね。
そうなんです。基本的に私一人で担当していることもあり、どうしても作業に多くの時間がかかってしまいます。その点は、以前から大きな課題だと感じていました。
――お一人で担当されているとなると、かなりご負担も大きかったのではないでしょうか。そうした課題感がある中で、「プランAI工房」はまさにうってつけですね。
「かんざしクラウド」にプラン作成を支援してくれる機能が搭載されたのは本当に助かっています。
――これまで、生成AIを業務で使われた経験はありましたか。
調べ物などで生成AIを使うことはありましたが、宿泊プランの作成に活用するのは今回が初めてでした。今回の追加機能、プラン作成にAIを取り入れるという新しい体験ができたと感じています。もちろん、AIが作るからといって一発で完璧なものができるわけではありませんが、一部修正するだけでいいのですごく助けられています。
――効率化を実感されているということですね。
はい。以前は、内容を考える部分にかなり時間を取られていて、2時間ほどかかることもありました。正確に時間を計っているわけではありませんが、書き出しや全体構成を考える手間が大きく減っているので、かなり効率化できていると感じています。
――今後、「プランAI工房」をどのように活用していきたいとお考えですか。
本格的に使うのはこれからですが、魅力的な宿泊プランを作っていけそうだという大きな期待を持っています。特に、アクセス情報など施設の情報を加味したうえで提案してくれる点は、とてもありがたいですね。今後は、新しい宿泊プランの作成に加えて、おすすめの使い方として話題になっている「既存プランの修正」にも活用しながら、施設の魅力をより分かりやすく伝えられるプラン作りにも役立てていきたいと考えています。これからも「プランAI工房」をどんどん触っていきたいと思います。

ホテルみや離宮
ワードや表現に提案力
ホテルリステル猪苗代ウイングタワー
宿泊予約課 副支配人 園城 正佳さん
――貴施設では、多岐にわたる宿泊プランを展開されていますが「かんざしクラウド」はどのように活用されているのでしょうか。
当館は販売先が多岐にわたっているため、まずは一つのサイトでプランを作成し、その内容を「かんざしクラウド」に取り込んで、他のサイトへ横展開する形で活用しています。新規プランの作成だけでなく、既存プランの延長や内容修正といった場面でも利用しています。
――新しいプランだけでなく、既存プランについてもかなり細かく調整されているのですね。
そうですね。新規プランについては、実際に販売したいシーズンを迎える前に、あらかじめ作成するようにしています。一方で既存プランは、使用している文言をもっと良い表現にできないかを意識しながら、継続的にブラッシュアップしています。正式なミーティングというほどではありませんが、既存プランを並べて意見を交わしながら、修正案が出た場合にはその都度更新しています。
――プラン作成の際に課題に感じている点は。
文章自体は比較的スムーズに書けるのですが、どうしても表現が一律になってしまうことがあります。また、もう少し表現のバリエーションを増やしたいと感じることもありますね。
――「プランAI工房」については。実際に触ってみた感想を教えてください。
まずは一つのプランを対象に「プランAI工房」を実際に触ってみて内容を確認しました。こちらも普段自分では思いつかないような言葉や表現が提案される点が良いと感じています。
一方で、当館はもともとプラン数がかなり多く、これまで積み重ねてきたプラン作成の”型”があります。そのため、あまりに型から外れすぎてしまうと、お客さまに違和感を与えてしまう可能性もあります。そのため「プランAI工房」を含め生成AIを活用する場合は、すべてをそのまま使うのではなく、提案を取り入れながら自分たちが目指す方向に調整して使っていく必要があると考えています。
――つまりプランAI工房などを活用して時短した上で、施設がきちんと最後のブラッシュアップを行うことが重要ということでしょうか。今後、プラン作成にAIをどのように活用していきたいとお考えですか。
はい、「プランAI工房」やその他の生成AIを活用しながら、どのようなプランが、どのような層のお客さまに受け入れられるのかといった点も含めて、私たちのホテルならではの特色を伝えられる使い方をしていきたいと考えています。すべてをAIに任せるのではなく、どこまでをAIに頼るのかを意識しながら使っていきたいですね。特に客層に沿った言い回しは大切にしたいポイントなので、私たちが考える文章との差を埋めていけるような活用方法を見つけていけたらと思っています。

ホテルリステル猪苗代ウイングタワー
「この表現はいいな」
倉敷国際ホテル 営業サポートチーム 白岩 良さん
――プランはどのようなタイミングで企画・作成されることが多いのでしょうか。
プラン作成の頻度はそれほど高くはありませんが、スタッフから出たアイデアをプランに盛り込むことがあります。現在展開しているものでは、人気の美容ブランド「ReFa」のアイテムを試せるプランがその一例ですね。また、酒蔵さんとのコラボレーションによる見学ツアー付きプランも最近販売を開始したのですが、こちらは、酒蔵さんから「プランとして出してもらえませんか?」とお声がけいただいたことがきっかけでした。
――プラン管理を担当されている方に共通する悩みかもしれませんが、キャッチーなフレーズやタイトル作りに苦労されているという声は多く聞かれます。そうした中で、貴施設で「かんざしクラウド」の「プランAI工房」をお試しいただいた感想をお聞かせください。
はい。近日販売開始予定のプランを作成する際に試してみました。「アフタヌーンティー」や「女子におすすめ」といった要素を入れてAIに考案してもらったところ、「これは良いな」と感じる一文があり、実際のプランに取り入れました。プラン本文の中央には、必ず伝える必要のある内容を定型文として入れているため、その前段部分に活用しています。結果的に文章をそのまま使ったわけではありませんが、「この表現はいいな」と思える言い回しを取り入れることができ、使い勝手は良いと感じています。
――言い回しの参考として活用できそう、という印象でしょうか。
そうですね。表現に迷ったときには使えるのではないかと思います。もともと「文章が固くなりがち」という課題があったので「プランAI工房」を使うことで言い回しの幅が広がったのはうれしかったですね。
――プラン作成にAIを活用することについては、どのようにお考えですか。
私自身、これまでAIを使う機会はほとんどなかったのですが、実際に使ってみて、「もっと早くプラン作成にもAIを活用していればよかった!」と思うほど、とても便利だと感じました。
――プランAI工房を活用することで、業務の効率化も期待できそうでしょうか。
そうですね。これまでは、プラン本文やタイトルの表現に悩んだ際、参考になりそうな言い回しを探し、そこから文章を組み立てることもありました。「プランAI工房」を活用することで、そうした手間は今後減っていくのではないかと感じています。

倉敷国際ホテル
指示だけで作成に驚き
南紀白浜 ホテル 三楽荘 販売予約課 課長 中松 香人さん
――「かんざしクラウド」の利用状況について教えてください。
プランの作成・更新・修正の際には「かんざしクラウド」を利用しています。当館は扱うプラン数が多いため、一度修正が発生するとボリュームが大きく「かんざしクラウド」がないと正直困ってしまいます(笑)。毎年既存プランの刷新を行っているので、プラン管理に欠かせない存在ですね。
――プラン作成において、特に課題を感じていた点はどこですか。
既存プランをもとに新規プランを作成する場合は、特に問題はありません。ただ、ベースとなるプランがない状態で完全に新規のプランを作る際には、プラン本文の冒頭の文言やタイトルを考えるのにとても苦労しており、そこに課題を感じていました。また、文字数制限の確認にも時間を取られてしまうことがあり、その点も悩みの一つでした。
――生成AIを活用したプラン作成にも取り組まれていると伺いましたが、「プランAI工房」はいかがでしたでしょうか。感想をお聞かせください。
現在は「プランAI工房」の特性を試している段階で、まだ実際のプランには反映していません。使ってみて感じたのは、すべてのプランに一律で活用するのではなく、作りたいプランの内容に応じて使い分けることが大切だという点です。
定番に近いプランを横展開するようなケースでは、共通の文言なども拾いながら効率的にプランを生成してくれるため、非常に相性が良いと感じました。一方で、イレギュラーなプランを作成する場合には、AIの特性上、意図しない内容が含まれてしまうこともあります。そのため、AIを活用しつつも、人の目で内容をしっかり確認することが重要だと思います。
その上で、「プランAI工房」が細かな指示を入れなくてもゼロからプランを作成してくれる点には驚きましたし、今後の活用の可能性は大きいと感じています。
――実際に使ってみて、今後のプラン作成にはどのように活用できそうだと感じましたか。
はい。これまでは、プランのタイトルや本文の導入部分を考える際「かんざしクラウド」の外で生成AIを利用していました。「かんざしクラウド」に「プランAI工房」が加わったことで、同じようにプランタイトルや本文の導入部分の作成に活用できそうだと感じています。生成された内容は確認する必要がありますが、「かんざしクラウド」内で生成できるという点だけでも、とても便利だと思います。
また、これまでも「過去にじゃらんで作成したプラン」をベースにプランを刷新してきた経緯があるため、かんざしさんにご案内いただいた「じゃらんのプラン」をもとに「プランAI工房」を活用して新しいプランを作成する方法も、当館にとって実用的な使い方になりそうです。

南紀白浜 ホテル 三楽荘





