【金子国交相・新年共同インタビュー】訪日旅行を多様化、地方誘客へ オーバーツーリズム対策強化


 金子恭之国土交通相は、観光経済新聞社が加盟する国土交通省交通運輸記者会による新年の共同インタビューに応じた。観光施策では、「インバウンドの受け入れと住民生活の質の確保との両立」などを施策の柱とする第5次観光立国推進基本計画の策定を進めるとともに、インバウンドの地方誘客などに注力する考えを示した。

 ――第5次観光立国推進基本計画の策定の方向性と、今後着手すべき観光政策について。

 金子国交相 交通政策審議会観光分科会において昨年4月から検討を開始しており、これまでの議論の中で、委員や業界より、▽観光客の集中による過度の混雑やマナー違反による地域住民の生活への影響▽日本人の国内旅行やアウトバウンドの拡大▽観光産業における人手不足―等が重要課題であるとのご指摘をいただいた。

 こうした議論を踏まえ、昨年10月の分科会では、新たな基本計画の施策の3本柱として、▽インバウンドの受け入れと住民生活の質の確保との両立▽国内交流・アウトバウンド拡大▽観光地・観光産業の強靱(きょうじん)化―を案としてお示しするとともに、これらに係る数値目標や主な施策の方向性の案についてもお示しし、委員の皆さまからも、全体的な方向性についておおむねご了承をいただいた。

 今年も、3月末までの基本計画の策定はもちろん、インバウンドの多様化に向けた戦略的なプロモーションの実施や地方誘客の一層の促進、オーバーツーリズム対策の強化等にしっかりと取り組みながら、わが国の観光の一層の発展に尽力してまいりたい。

金子国交相
金子国交相

 また、金子国交相は2026年の年頭所感を公表した。観光分野への主な言及部分は次の通り。

個性をいかした地域づくりと持続可能で活力ある国づくり(持続可能な観光の推進)

 観光は、人口減少が進むわが国にとって成長戦略の柱、地域活性化の切り札です。昨年は、堅調な訪日需要と航空便の回復等に加え、持続可能な観光立国の実現に向けて官民一体となって取り組んだ結果、訪日外国人旅行者数や消費額は好調な状況です。一方で、インバウンドの観光客が都市部を中心とした一部地域に偏在する傾向も見られるほか、観光客が集中する一部の地域や時間帯等によっては、過度の混雑やマナー違反による地域住民の生活への影響などへの懸念も生じております。

 本年3月には次期観光立国推進基本計画を策定する方向で検討を進めておりますが、観光客の受け入れと住民生活の質の確保との両立のための施策により重点を置くべきであると考えております。また、地方誘客の促進のための交通ネットワークの基盤強化や観光まちづくりなどとも相まって、観光が地域住民に裨益(ひえき)し、観光地が持続的に発展していく姿を国民の皆さまに示していくべきであると考えております。そのような考えの下、次期観光立国推進基本計画では、三つの施策の柱を設定する方向で検討を進めております。

 第一に、「インバウンドの受け入れと住民生活の質の確保との両立」です。インバウンドの受け入れと住民生活の質の両立を図るために、局所的・地域的に生じているオーバーツーリズムへの効果的な対策の強化を図ってまいります。また、地方誘客を進めるための広域的な体制、観光コンテンツ等の整備、そしてリピーターの拡大、未訪日層等も含めたさまざまな国・地域からの誘客を強化してまいります。さらに、地方空港、クルーズ船、空港アクセス、国内航空、新幹線利用等の交通ネットワークの機能の強化にも強力に取り組んでまいります。

 第二に、「国内交流・アウトバウンドの拡大」です。国内旅行の促進に向けて、ワーケーション・ラーケーションの促進等を通じた休暇の分散・平準化の促進、第2のふるさとづくりプロジェクトを通じた新たな交流市場の開拓に取り組んでまいります。また、海外旅行の促進に向けて、海外教育旅行を通じた若者のアウトバウンド促進や、地方空港を活用した双方向交流の拡大に取り組んでまいります。

 第三に、「観光地・観光産業の強靱化」です。観光産業における生産性向上のための観光DXの推進や、業務の効率化・省力化に資する設備投資への支援、民泊(住宅宿泊事業法)の適切な運営等の健全な競争環境の整備、ユニバーサルツーリズムなど多様なニーズへの対応に取り組んでまいります。

 また、こうした観光施策をより充実・強化するための財源に充てるため、国際観光旅客税の拡充をしていくことが、政府の税制改正の大綱に盛り込まれたところです。

 国土交通省としては、2030年訪日外国人旅行者数6千万人、消費額15兆円等の政府目標の達成、そして、観光によって日本の魅力・活力が持続的に継承・発展されていく姿を国民一人一人が実感でき、観光によってわが国が豊かになっていくことこそがまさに観光立国である、との気概のもと、官民一体・関係省庁一丸となって取り組みを進めてまいります。

 
 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第39回「にっぽんの温泉100選」発表!(2025年12月15日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2025年度「5つ星の宿」発表!(2025年12月15日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第39回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング 」(2026年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト50を発表!

2025年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング」(2026年1月12日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒