東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)と日本航空株式会社(JAL)は1月13日、新幹線と航空機を組み合わせた新輸送サービス「JAL deはこビュン」の販売を開始する。新幹線と航空機のスピードを活かし、輸送・通関手続きをワンストップで行うことで、地域から海外への迅速な荷物輸送を実現。第1弾として福井から台湾へ「越前がに」などの水産品を輸送する。

地域から海外へ一気通貫
両社グループが持つ国内外のネットワークを活用した新サービスは、2025年10月に行った仙台からシンガポールへの梨の輸送トライアルを経て正式化された。国内は新函館北斗、新青森、盛岡、秋田、仙台、新潟、長野、敦賀などのはこビュンサービス展開駅から発送。東京国際空港(羽田)、成田国際空港を経由して、シンガポール・チャンギ国際空港、クアラルンプール国際空港、香港国際空港、台湾桃園国際空港、台北松山空港へ輸出する。
輸送品目は生鮮品(鮮魚、青果、花きなど)や機械部品を予定。特に鮮度が重要な農水産品の輸出において、新幹線と航空機を連携させることで大幅な輸送時間短縮を実現する。例えば仙台からシンガポールへの輸送では、一般的に24時間を超える輸送時間を約19時間に短縮できるという。

3つの特徴で物流革新
新サービスの特徴は主に3点ある。
1点目は「リードタイムの短縮・高い定時性」だ。新幹線の高頻度・定時性と航空便の長距離高速輸送を組み合わせることで、従来の輸送手段に比べて大幅な時間短縮が可能になる。
2点目は「広域ネットワークの実現」。JR東日本グループの地方ネットワークとJALグループのグローバルネットワークを掛け合わせることで、地方の優れた特産品のさらなる海外展開を目指す。
3点目は「社会課題解決への貢献」。新幹線活用によりトラックドライバーの労働力不足解消やCO₂排出量削減などを目指すモーダルシフトの受け皿となり、持続可能な物流の推進に寄与する。

福井の名産「越前がに」が台湾へ
商品化第1弾として、2026年1月13日に福井県敦賀発の台湾向け水産品輸送が実施される。敦賀駅9時21分発のかがやき508号で東京駅へ。その後、羽田空港18時10分発のJAL99便で台北松山空港へ輸送される。台北松山空港到着後は台湾桃園空港まで陸送され、通関が行われる。
輸送される商品は福井県の特産水産品。冬の味覚として知られる「越前がに」をはじめ、「敦賀真鯛」「若狭まはた」といった高級魚が選ばれた。
これらの水産品は、福井県庁と連携して台北で開催される福井県産品のPRイベントで活用される。「ホテルメトロポリタン プレミア 台北」では1月15日に「食材提案会」が開催され、現地レストラン関係者などに福井県産食材をPR。輸送された水産品は試食用食材として使用される予定だ。
また1月9日から2月9日まで同ホテル内の日本料理「はや瀬」、中国料理「凱華樓」、ロビーラウンジ「プラットフォーム」では「福井フェア」が開催され、若狭牛、ふくいサーモン、日本酒を使用した料理が提供される。

両社グループのネットワークを活用
「はこビュン」はJR東日本グループが展開する荷物輸送サービス。速達性・定時性に優れ、環境にも優しいという鉄道の強みを活かし、地域の魅力発信や社会課題解決に取り組んでいる。
一方の「JALCARGO」はJALの貨物郵便事業を担当。「変わりゆく社会ニーズをとらえた高品質な物流インフラとして、お客さまの想いに応え、社会へ貢献する」というパーパスを掲げている。旅客機貨物スペース、3機の767自社貨物専用機、他社大型貨物機を組み合わせたネットワークを最大限に活かし、高品質な航空貨物輸送を提供しているという。医薬品・生鮮品のような生活に不可欠な品目、エクスプレス・ケミカルのような需要の高まる品目をはじめ、様々な航空貨物を世界各国に輸送している。
JR東日本グループとJALグループは今回の取り組みを通じて、「優れた地産品の更なる海外輸出拡大を通して日本の食の魅力を発信し、地域活性化を目指す」としている。今後も輸送ネットワークの更なる拡大など、サービス拡充に向けて連携を強化していく方針だ。





