多田会長
皆さま、新年明けましておめでとうございます。
2026年の年頭にあたり、謹んでごあいさつを申し上げます。平素より当協会の活動に格別のご理解とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。
当協会は1929年の創立以来、温泉資源の保護と活用、温泉知識の普及を使命として歩み続けてまいりました。3年後の2029年には創立100周年を迎えます。変化の大きい時代にあって、今こそ次の100年に向けた基盤づくりを進める重要な時期と考えております。
まず「温泉資源の保護」についてです。再生可能エネルギー政策のもと地熱発電開発は拡大傾向にあり、当協会では「地熱開発に秩序を求め」五つの提言の順守を求めています。地熱対策特別委員会を中心に、温泉事業者や地熱事業者と国や自治体などの行政が対話できる環境づくりを行い、温泉源の維持と温泉地の持続的な発展に努めてまいります。
次に「温泉資源の活用」です。日本における温泉利用は、湯治や観光目的の温泉街づくり、調理や炊事に温泉を使用することで食文化など多様な生活文化に貢献してきました。昨年11月28日の文化審議会無形文化遺産部会において、ユネスコ無形文化遺産に提案する候補として2028年に「神楽」、2030年に「温泉文化」を審議する方針が示されました。
日本温泉協会が開催した温泉文化検討会において、温泉文化とは「自然の恵みである温泉に浸かり、心と体を癒やす、日本人に根付いている社会的慣習」と定義されました。「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産全国推進協議会が実施した登録賛同署名活動に対し67万筆もの署名をいただきましたこと、全国の皆さまには心より感謝申し上げます。
登録推進に尽力いただきました「全国温泉振興議員連盟」「温泉文化ユネスコ無形文化遺産登録推進議員連盟」「温泉文化ユネスコ無形文化遺産登録を応援する知事の会」の皆さまとともに、全国の皆さまの声が形になったことを大変心強く感じております。
温泉文化を維持、保存、継承するため「温泉文化国民会議」が発足し、当協会会員は一括加盟いたしました。当協会といたしましてもさらなる学術的検討と普及活動の強化に努めてまいります。
三つ目は「温泉知識の普及」と国際交流です。季刊「温泉」の発行、入浴エチケットの多言語ポスターの普及、温泉検定の継続に加え、当協会は台湾・韓国・タイと温泉を通じた友好交流協定を締結しました。今後も世界の温泉関係者と協力し、日本の温泉文化の価値を国際社会に発信してまいります。
「裸同士でひとつの湯船に浸かり静かに瞑想する」日本の温泉文化は、世界に類を見ない固有の生活文化です。2029年の創立100周年に向け、温泉地の未来を切り開くため、引き続き皆さまのご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。
本年が皆さまにとって健やかで実り多き1年となりますことを祈念し、新年のごあいさつといたします。

多田会長




