株式会社スガワラくんは12月23日、「2026年に予定されている労働基準法の大規模改正」に関する正社員400名へのアンケート調査結果を発表した。調査によると、半数以上の正社員が改正を「知らない」と回答。約40年ぶりとなる大幅改正について当事者に十分な情報が届いていない実態が明らかになった。
改正認知度は低く、男女差も

調査では、労基法改正について「知らない」と回答した人が53.8%と過半数を占めた。男女別では男性が47.0%、女性が60.5%と女性の方が認知度が低い傾向が見られた。また「内容まで理解している」と回答した人は全体でわずか9.8%にとどまった。
現在副業をしている人は全体で16.0%。男性が18.5%、女性が13.5%という結果となった。
勤務時間外の業務連絡については、「よくある」「時々ある」と回答した人が合わせて約4割に上った。一方で「まったくない」と答えた人も33.5%存在し、職場や個人によって大きな差があることも判明した。この点でも男女差が見られ、男性の方が勤務時間外の連絡を受ける割合が高い結果となった。
改正の評価については「どちらとも言えない」が48.3%と最多。「とてもプラスになる」「ある程度プラスになる」と前向きに捉える人が合計で32.0%いる一方、「あまりプラスにならない」「マイナスになる」と感じている人も少なくなかった。
2026年改正の主なポイント
今回の労基法改正は、1987年以降の社会状況を前提とした現行法が、リモートワークの普及や副業解禁、フリーランス人口の増加など、近年の働き方の実態と乖離していることから検討されている。
主な改正ポイントとしては、有給休暇の賃金計算方法が「通常賃金」に統一されるほか、法定休日と法定外休日の明確化が義務付けられる。副業については、本業と副業の労働時間を別扱いとする方向性が示されている。
その他、勤務間インターバル制度の導入や、管理職への勤怠管理義務付け、「つながらない権利」(勤務時間外は応答義務がないことを主張できる権利)の認定なども含まれている。
調査結果と労基法改正の解説を行った菅原由一氏は、中小企業の法理解不足や労働基準監督署の監督体制の限界、罰則の軽さなどから法律の形骸化を懸念する声もあると指摘。働き方の多様化が進む中で、企業・従業員双方が正しく理解し、適切な運用を行うことの重要性を強調した。

調査概要
- 調査期間:2025年12月12日
- 調査手法:インターネット調査
- 調査対象:20歳以上60歳未満の全国の会社員(正社員)
- サンプル数:400名(10歳刻み・男女各50名の均等割付)
- 調査機関:Freeasy




