Trip.comは12月17日、「2025年 日本人の海外旅行ランキング&トレンド」を発表した。AI分析を活用した「Trip.Best」のランキングデータによると、ソウルが1位、香港が2位、バンコクが3位となった。日本人旅行者の間で近距離旅行の人気が継続している一方、体験型観光への志向が強まっているという。

韓国と中華圏が上位独占
2025年の人気海外旅行先トップ10は、ソウル、香港、バンコク、上海、台北の順で上位5位を占めた。続いてシンガポール、釜山、バリ、龍仁、春川がランクイン。韓国の都市が3つ入るなど、近距離の旅行先が引き続き強い支持を集めている。
特に注目すべきは、韓国の龍仁と春川が9位と10位に入ったこと。これまで定番だったソウルや釜山に加え、新たな目的地への関心が高まっていることを示している。
トップ10以外でも、ダナンのホテル閲覧数が前年比122%増加と急成長。ホーチミンも89%増、プーケットは52%増と大幅に伸長しており、東南アジアへの注目度が上昇している。

「見る観光」から「没入体験」へ変化
Trip.comの発表によると、日本人旅行者の海外旅行に対するニーズが「見る」観光から「没入体験」へとシフトしている。特にタイでは「お得感」「異文化体験」「リゾート」といったキーワードでの検索が前年同期比71%以上増加。チェンマイでの寺院瞑想リトリートやプーケットでの現地料理教室など、深い体験を重視した旅行への関心が高まっているという。
また、リラックスとスローリビング志向も強まっており、自然豊かで静けさを感じられる場所への人気が上昇。関連キーワードを検索する日本人旅行者は前年同期比48%増加した。
「食」と「利便性」が重要な決定要因に
日本人旅行者の60%が海外旅行の情報収集で食関連のコンテンツを閲覧している事実も明らかになった。特に「郷土料理」「近場レストラン」「ご当地スイーツ」「カフェ」が人気で、「食体験」が旅行計画の主要動機として定着している。
同時に、直行便でいける都市や日本語対応、清潔さ、移動のしやすさなど、ストレスのない旅へのニーズも増加。関連タグのクリック率は前年同期比68%増加しており、標準化されたサービスと現地の利便性の双方が求められている。
予約行動も特徴的
日本人旅行者のホテル予約決定までの検討期間は平均6.4日と長期化している。最も検索されているのは「温泉ホテル」(8%)だが、実際に予約されるのは「眺望の良いホテル」が14%と最多で、景観の良さが決定要因として強く働いている。
アクティビティ予約では、「おすすめ観光スポット」の閲覧が62%と最も高く、次いで「ナイトライフ」10%、「ファミリー向け」8%、「温泉」6%となっている。意思決定期間が長い一方で、実際の予約は比較的直前に行われる傾向があり、アプリ内の当日予約が38%、1日前が16%を占めている。
Trip.comの今回の発表は、同社が運営する予約サイトのユーザー評価やレビュー、検索・予約データをAIが分析し、専門家の知見も取り入れて作成されたランキング「Trip.Best」に基づくものだ。




