Uber Japan株式会社は12月8日、人口減少や高齢化、交通事業者の担い手不足により移動手段確保が課題となっている地域に向け、公共ライドシェアの導入を支援する専用サイトを開設した。地方自治体やNPO向けに、導入プロセスやサポート内容を分かりやすく紹介する内容。多くの自治体からの導入相談に応える形での開設という。
初期費用ゼロで地域交通を支援
同社が新設した専用ページでは、公共ライドシェアの概要や導入プロセス、自治体・NPO向けのサポート内容を紹介している。多言語対応のUberアプリを活用した運行モデルは、訪日客が多い地域や交通空白地帯の移動課題に対する解決策として注目を集めているという。
Uberは専用ページからの問い合わせに対し、地域の交通課題や住民ニーズ、運行希望エリアを聞く事前ヒアリングを実施。その内容を踏まえて最適な公共ライドシェア運行モデルを設計する。管理ポータルやアプリ操作に関するトレーニングはUberが直接実施するか、運行主体となる事業者が実施する形にも対応可能で、運用開始まで一貫した伴走支援を行う。
サービス開始後も運行データ分析や改善提案、安全対策の強化など継続的なサポートを提供するとしている。導入費用は初期費用ゼロで、売上に応じた手数料モデルを採用しているため、大きな初期投資を必要とせずにサービスを開始できるのが特徴だ。
公共ライドシェアとは
公共ライドシェアは、2024年4月に大都市圏を中心に導入された「自家用車活用事業(日本版ライドシェア)」とは異なり、自治体やNPOが運行主体となって交通空白地における住民や観光客の移動を支える制度。2023年12月の規制緩和により対価がタクシー運賃の8割程度まで引き上げられたことで、普通免許と自家用車を持つ住民ドライバーが担い手となるモデルとして全国で導入が広がりつつある。
Uberは世界70カ国以上で利用されている同社のアプリを活用し、直感的で分かりやすい配車・乗車体験を提供するとともに、多言語対応により訪日客が多い地域でもスムーズな利用を可能にしているという。現在、石川県加賀市、京都府京丹後市、大分県別府市、長野県野沢温泉村の4つのエリアでUberアプリを利用した公共ライドシェアが展開されており、今後もさらなる拡大を予定しているとのことだ。
専用技術で管理負担を軽減
同社は配車アルゴリズムやGPSによる位置情報管理、車両稼働の可視化といった技術基盤を活用することで、運行の最適化や管理負担の軽減を支援している。本人確認や乗車履歴管理、GPS追跡機能などの安全機能も適用し、安心して利用できる環境を整備。都市部から中山間地域まで全国各地での導入・実証実績を踏まえた地域特性に応じたモデル設計が可能としている。
公共ライドシェアの主な特徴としては、道路運送法第78条第2号に基づく制度を活用した地域主体の運行や、需要に基づく柔軟な運行による交通空白地帯や移動困難地域の補完、地域の実情に応じた運行エリア・時間帯の設定、スマートフォンアプリ等を用いた効率的な運行管理などが挙げられる。さらに高齢者等に配慮した電話予約との併用も整備可能で、行政・地域団体・交通事業者の協働による持続的運用が可能だという。
導入を検討する自治体や団体向けの相談窓口も開設しており、メールでの問い合わせを受け付けている。




