プログラムを説明する蔵元の松浦さん
徳島県鳴門市で唯一の酒蔵、本家松浦酒造場は12月8日、メディアや旅行会社などを対象に、酒造りの魅力を伝える「酒蔵体験プログラム」プレスツアーを実施した。
同酒造場は創業約220年の老舗で、銘柄は「鳴門鯛」。長屋門や東酒蔵などは国登録有形文化財(建造物)で、広い蔵の中には呑み処と直売所が併設されている。
日本酒「鳴門鯛 大吟醸」は今年の四国清酒鑑評会の吟醸酒の部で、県内で唯一優等賞に選ばれ、また、第17回全国燗(かん)酒コンテストのプレミアムぬる燗部門では「鳴門鯛 純米超辛口 巴(ともえ)」が最高金賞を受賞するなど、輝かしい実績を上げている。
ツアーでは、発酵タンクを含めた酒蔵見学や日本酒造りの工程によって異なる味の違いを体験する「酒ラベル見方セミナー」、試飲などが行われた。
10代目蔵元で総杜氏の松浦素子さんによると、年間の見学者は1万2千~3千人で、外国人も月に200人ほど訪れている。徳島空港は韓国との直行便が就航していることもあり、韓国人が多いという。海外展開も積極的で、10カ国以上に輸出している。
酒蔵体験プログラム(プラン)はJTBと組んで作った。
①酒ラベル見方セミナー・酒の寺小屋&案内人付き酒蔵見学の「梅」(日帰り)②発酵タンクの見学&徳島食材の肴「阿波箱肴」と梅コースを合わせた「竹」(同)③梅と竹のコースに宿泊施設・アオアヲナルトリゾートのフレンチか日本料理を味わう「松」(1泊2日)―などのプランがあり、同酒造のウェブサイトを通じて販売する。
松浦さんは「徳島は、宿泊率が日本の中で一番低い県ですが、(プログラムにより)少しでも滞在時間を延ばし、宿泊につなげていくきっかけになれば」と話す。

プログラムを説明する蔵元の松浦さん




