グローバルオンライン旅行サービスプロバイダーのTrip.comは12月10日、食のガイドプラットフォーム「Trip.Gourmet(トリップ・グルメ)」による2026年の世界レストランランキングを発表した。今年は「New Coordinates for Taste(新しい”味”の座標)」をテーマに、世界68の国と地域から18,000軒以上のレストランを網羅。新カテゴリー「Hometown Cuisines(ふるさとの味)」を設け、海外で楽しめる”地元の味”にも焦点を当てた内容となっている。

「食」を旅の指針に、前年比30%増の検索数
「食」の存在感が高まる旅行市場。Trip.comグループのデータによると、「食」に関する検索は前年比30%増を記録した。同グループのバイス・プレジデント兼Trip.Gourmet CEOのSunny Sunは「いま旅行者は、目的地で”食べ歩く”だけでなく、食そのものを”旅の指針”として使っている。本ランキングは、単なる順位付けにとどまらず、文化とのつながりやストーリー性、厳選された発見の体験まで提供することで、こうした旅の変化を反映している」と述べている。
3つのカテゴリーで構成された新ランキング
今回のランキングは世界の食トレンド変化を踏まえ、3つのカテゴリーで再編された。
「Fine Dining(ファインダイニング)」では、最高峰レストランを「ブラックダイヤモンド」「ダイヤモンド」「プラチナ」で格付け。ブラックダイヤモンドには、Plénitude(フランス)、SÉZANNE(日本)、La Pergola(イタリア)、Odette(シンガポール)、Caprice(香港)などが選出された。
「Must-Visit Restaurants(必訪レストラン)」は、地元の名店、ユニークな体験型ダイニング、カジュアル料理を統合したカテゴリー。
新設の「Hometown Cuisines(ふるさとの味)」では、海外在住者や旅行者が”なつかしい味”に出会える店を紹介。現在は日本・韓国・中国本土・東南アジア(シンガポール、マレーシア、タイなど10カ国)で展開中で、例えば「上海に住む韓国人ユーザーが、上海で高評価の韓国料理店を探せる」といった利便性を提供している。
サステナブルや没入型体験など、注目のグルメトレンド
ランキングでは、香港・上海・北京・マカオ・シンガポール・コペンハーゲン・パリ・ドバイ・バンコク・東京など、主要都市のトップレストランを紹介。多くがフォーシーズンズ、リッツカールトン、シャングリ・ラ、マンダリンオリエンタルなどのラグジュアリーホテルと提携している。
食のトレンドとしては、サステナビリティ、フュージョン料理、プラントベース・ベジタリアン、モダン&分子ガストロノミー、和食の魅力、中華料理の再評価、没入型ダイニングなどが注目されている。
サステナビリティでは、日本のNarisawaやイギリスのVanderlyleが地元の旬の食材にこだわる取り組みで知られる。フュージョン料理では、パリのSolaが日本の技法とフランスの影響を融合させている。
没入型ダイニングの例として、クアラルンプールのLe Petit Chef、シンガポールの水中レストランOcean Restaurant、ベトナムのElisa Floating Restaurantなど、ユニークな体験を提供するレストランも選出された。
「旅×食」の新商品展開も
Trip.Gourmetでは、世界各地のレストラン情報をTrip.comアプリから閲覧可能。一部地域ではアプリ上での予約にも対応しており、今後も対応地域を拡大予定だ。AIアシスタント「TripGenie」からもレストラン検索が可能となっている。
また、レストラン体験とホテル・ツアーをセットにした「旅×食」の新商品を展開。著名人が案内するフードツアー「Trip.Gourmet: The Chef’s Table」、影響力のあるシェフが主催する料理体験、90分間の没入型レストランショー「Taste of China」なども提供している。
全ランキングはTrip.Gourmetの公式ページ(https://jp.trip.com/restaurant/restglobalranking.html)から閲覧できる。





