ユネスコ無形文化遺産に「越前鳥の子紙」が追加登録  都内で記念レセプション開く 福井県越前市


鳥の子紙の特徴などについて説明する龍田副市長

 福井県越前市に伝わる最高級の和紙「越前鳥の子紙(こし)」の手すき和紙技術が12月11日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に追加登録された。これを記念し同市は19日、東京都内で記念レセプションを開催。龍田光幸副市長や保存会のメンバーが出席し、鳥の子紙の特徴や登録に至るまでの歩みを紹介した。

 1500年の歴史を持つ越前和紙の中でも「紙の王」と称される越前鳥の子紙は、原料にジンチョウゲ科の雁皮(がんぴ)のみを使用し、独特の光沢と高い耐久性を備える。雁皮は繊維が短く、均一にすき上げるには高度な技術が求められるという。

 日本の手すき和紙技術は、2014年にユネスコ無形文化遺産に登録されたが、岐阜県の本美濃紙など3件で、越前鳥の子紙は保存団体がなかったことなどから登録に至らなかった。

 これを受け、15年に「越前生漉(きずき)鳥の子紙保存会」を設立。若手への技術継承や、雁皮の栽培事業に取り組んできた。17年には国の重要無形文化財に指定され、同保存会が保持団体に認定。今年3月には、研修施設を備えた活動拠点「とりこ」が完成した。

 記念レセプションに登壇した龍田副市長は、鳥の子紙の特徴を説明した上で、「これまで不足していた体験、宿泊施設の整備を進めている」と述べ、11月に開業した、紙すき体験もできる工芸宿「SUKU」を紹介。

 保存会の栁瀨晴夫会長は、「今後は用途の拡大が欠かせない」と強調。仮名料紙や銅版画などに用いられてきた鳥の子紙を、より多くの人に使ってもらい、市場流通につなげたい考えを示した。


鳥の子紙の特徴などについて説明する龍田副市長

 
 
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