国土交通省航空局によれば、12月15日から東京国際空港(羽田)と成田国際空港で、自動運転レベル4(特定条件下での完全無人運転)に対応したトーイングトラクターの実用化がスタートした。羽田では全日本空輸と日本航空が、成田では日本航空がそれぞれ導入する。空港制限区域内における自動運転レベル4の実用化は国内初。
トーイングトラクターは空港などで手荷物・貨物を収容した荷車・コンテナ等を牽引する車両。同局では、生産年齢人口の減少が進む中でも旺盛な航空需要に対応するため、空港業務の生産性向上に向けた取り組みを官民連携で進めてきた。
2018年6月には「空港制限区域内における自動走行の実現に向けた検討委員会」を設置し、人手不足が深刻化しているグランドハンドリング業務の省人化・自動化について検討を開始。自動運転の導入に向けた実証実験を推進し、自動運転車両が自律的に走行できない箇所での車両支援を行う共通インフラの整備や、空港制限区域内における運用ルールの検討を重ねてきた。
全日本空輸では豊田自動織機製の自動運転トーイングトラクター3台を導入して国内線定期便で運用を開始した。同時2025年度中にさらに3台増やす予定だ。車両への搬送指示や運行管理、信号機制御との自動連動など、効率的なオペレーションの実現に向け、豊田自動織機の協力のもと独自のシステムも開発・導入している。

日本航空は、羽田空港でAiRO製トーイングトラクター、成田空港でTractEasy製トーイングトラクターを使用。羽田では貨物コンテナの搬送、成田では受託手荷物の搬送に活用する。なお、羽田については国土交通省が信号設備やカメラなど、自動運転車両を支援する共通インフラの整備を行っている。
航空局では今後、自動運転の導入空港や車両数の拡大に加え、対象車種や走行区域の拡大に向けた技術的検討を官民連携で進める方針だ。






