羽田空港へ向かうときは、たいてい品川駅から京浜急行を使います。頻繁運行で定時性も高く便利ですが、最近は混雑が激しくなったように感じます。
先日も、朝の品川駅の羽田空港行き乗車列には行列ができていて、出発時には満員に。京急蒲田駅からさらに乗ってきて、かなりの混雑でした。品川駅から羽田空港まで20分ほどですが、旅行の前後の満員電車はこたえます。
荷物の多いインバウンド旅行者も少なくありませんでした。快適な空港輸送を維持するなら、そろそろ、確実に座れる着席サービスが求められる段階になってきたと感じられました。
実際、京急では空港への着席サービスを準備しているようです。10月末には、空港アクセスの充実を目指した「共同検討」に関する合意書を京成と締結。そこには、京急が新たな輸送サービスの検討に着手することが盛り込まれました。
合意書によれば、京成が28年度に運行開始を予定している新型有料特急と、車両の共通化を検討します。京急が有料特急車両を新たに導入し、その仕様が京成の新型特急と同じになるということのようです。
京成の新型有料特急は、押上―成田空港間を結びます。いわば成田空港への「新ライナー」です。これと同じ車両を京急が用意するのであれば、京成の新ライナーが、都営浅草線を介して京急線に乗り入れてくることを意味しています。つまり、羽田空港―品川―押上―成田空港間を結ぶ有料特急を、両社共同で運行する計画が動き出した、ということです。
京急では、品川駅の2面4線化や、羽田空港第1・第2ターミナル駅での引き上げ線の整備といった輸送力増強工事を行っていて、30年ごろまでに完成する予定です。完成すれば、羽田空港発着の列車を毎時3本増発できる見通しで、有料特急の受け入れ余力が生まれます。つまり、30年ごろに、羽田空港から京急の有料特急を運行するための準備が整うわけです。
羽田空港アクセスに関しては、JRが羽田空港アクセス線を建設しており、31年度に開業する予定です。JR線には上野東京ラインが乗り入れてくる予定で、グリーン車が連結される見通しです。
まだ正式発表されたことはありませんが、JRと京急が、そろって有料着席サービスを羽田への路線に導入するのであれば、旅行者には朗報です。
(旅行総合研究所タビリス代表)




