日本人のAI旅行提案への信頼度、調査国中で最低


 クリックテック・ジャパンは16日、同社の米国親会社Qlikが実施した旅行業界におけるAI活用に関する最新調査結果を発表した。日本を含むアジア太平洋地域4カ国を対象にした調査で、日本の旅行者はAIによる提案の精度への信頼度が4%にとどまり、調査対象国中で最も低い結果となった。

個人情報提供への抵抗感、日本が最多

 調査によると、旅行プラットフォームへの個人情報提供に抵抗を示した日本の旅行者は34%で、アジア太平洋地域平均の22%を大きく上回った。特に共有を避けたい個人情報として、「予防接種状況など個人の健康状態に関する情報」が83%(地域平均72%)で最多。次いで「旅行先および希望するアクティビティの一覧」が68%(同55%)、「旅行予算や支出計画」が62%(同54%)だった。

AIによる提案の信頼度も最低水準

 「AIの提案をまったく信頼していない」と回答した日本の旅行者は24%で、アジア太平洋地域平均の19%を上回った。「AIによる提案は人のアドバイスよりも信頼できる」と答えた割合も4%にとどまり、地域平均11%と比較して大幅に低い。

 その一方で、個人情報提供への懸念がなく、具体的なメリットが得られる場合、日本の旅行者が最も魅力的だと感じるのは「無料または割引で得られるプレミアム機能・特典の入手」であり、回答者の32%(地域平均24%)がこれを選んだ。

プレミアム体験への強い関心

 プライバシーへの懸念がなければ、日本の旅行者はAIによる提案を活用して、通常は手の届きにくいプレミアム体験を楽しむ傾向が強いことが明らかになった。飛行機のエコノミークラスからビジネスクラスへのアップグレードや、ホテルでの眺望のある部屋への変更などが例として挙げられる。

 クリックテック・ジャパンの執行役員社長である今井浩は、「AIの活用は世界中で加速しており、旅行業界も例外ではありません。個人データを丁寧に扱う姿勢を明確にした上で、AIの活用を通じて、旅行者のニーズや好みを正確に理解し、それに寄り添ったプランを提示することが重要です」と述べている。

調査方法

 この調査はQlikがYouGovに委託して実施。2025年8月25日から28日にかけて、日本、シンガポール、オーストラリア、インドの4カ国の18歳以上の成人を対象にオンラインで行われた。調査対象者は各市場で年齢、性別、地域のバランスが取れるように構成されている。

 Qlikは世界40,000社以上の顧客にサービスを提供しており、AI/機械学習、データ統合と分析のグローバルリーダーとして知られる企業。日本ではクリックテック・ジャパン株式会社が米国Qlik Technologies Inc.の日本法人として事業を展開している。

 
 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第38回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2024年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月13日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒