【交通トレンド分析315】ANA就航の萩・石見空港、期間・台数限定で周辺空港との間で乗り捨て無料 鳥海高太朗


鳥海氏

 ANAが1日2往復を運航中の羽田―萩・石見線。萩・石見空港は、島根県の西側にある益田市に位置する空港であり、私も年に1回訪れているが、益田市は、のどかな雰囲気の街並みで石見神楽で有名な場所であることに加えて、おいしい食材も多く、個人的には地ビール、おいしい水で作った豆腐、そしてイカをはじめおいしい魚が食べられる居酒屋など隠れた食の街だと思っている。

 益田市だけ訪れても楽しいが、せっかくならレンタカーを借りて周辺地域の観光をしながら、そのまま別の空港にレンタカーを乗り捨てて、羽田へ戻ることができれば旅の幅が大きく広がるが、ネックになるのがレンタカーの乗り捨て料金。近年、レンタカーの乗り捨て代が昔よりも高くなっており、乗り捨てをちゅうちょしてしまうケースも多い。

 そんななか、ANAのレンタカー予約「ANAトラベラーズレンタカー」では、11月21日から来年3月27日貸し出し分を対象に、萩・石見空港でレンタカーを借りて鳥取空港、米子空港、山口宇部空港で乗り捨てる場合および鳥取空港、米子空港、山口宇部空港で借りて萩・石見空港で乗り捨てる場合に、乗り捨て代が無料になる「萩・石見空港片道利用で、レンタカーの乗り捨て料金が0円になるキャンペーン」を実施している。

 山陰エリアの広域周遊を目的に自治体と連携した地域限定クーポンを発行する形で乗り捨て料が割引きされる形で、記者発表資料によると、今回のキャンペーンで対象となるニッポンレンタカー利用のプランでは、萩・石見空港発着の乗り捨て料は、山口宇部空港で1万560円、米子空港で1万7600円、鳥取空港に至っては2万4640円で、これが無料となるのだ。

 萩や津和野、長門温泉、山口市内方面へ向かう場合には山口宇部空港、出雲や松江、米子へ向かう場合は米子空港、さらに鳥取砂丘などへ足を伸ばす場合には鳥取空港が便利だが、効率良く巡ることが可能となり、新しい周遊プランになりそうだ。

 それ以外にも萩・石見空港では、繁忙期を除き、ANAの羽田―萩・石見線を往復利用(特典航空券を除く)+島根県内に1泊以上する場合に、2人以上の場合は最初の24時間1千円でレンタカーが借りられるキャンペーンも実施中だ(1人の場合は4千円)。対象のレンタカー会社に、利用日の1週間前までに電話予約でキャンペーン利用の旨を伝えることで利用可能だ。レンタカーで旅行をする人にとっては、佐賀空港が1千円レンタカーで有名だが、萩・石見空港でのレンタカー利用もおすすめである。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
 
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