【私の視点 観光羅針盤 502】チャイナリスクと観光 石森秀三


私の視点 観光羅針盤

 高市早苗首相の台湾有事をめぐる国会答弁によって日中間の緊張が高まっている。日中国交正常化後、両国関係は当初進展したが、その後はトラブルが頻発している。特に2012年9月の尖閣諸島国有化の際に中国政府は国民の反日感情をあおり、暴徒化したデモ隊が日系企業の店舗・工場を襲撃し略奪を行った。

 習近平氏は13年3月に国家主席に就任したが、その7月に中国の国営メディアが中国人民解放軍による「六つの戦争」計画について報道し物議をかもした。それは2020年~60年までに実施すべき「六つの国土回復戦争」のことだ。政府の公式見解ではないが、政権の高いレベルの了承の下で国営メディアが報じたとされている。(1)台湾統一戦争(20~25年)(2)南沙諸島(ベトナム)奪回戦争(28~30年)(3)南チベット(インド)領土回復戦争(35~40年)(4)釣魚島および琉球諸島回復戦争(40~45年)(5)外蒙古統一戦争(45~50年)(6)ロシア奪取旧領土回復戦争(55~60年)。

 人民解放軍はハードパワー行使だけでなく、孫子の「不戦屈敵(戦いを避けつつ、敵を屈服させる)」兵法に基づく「三戦」を重視している。(1)世論戦(敵の戦闘意識減退のためにさまざまなメディアの総合的運用)(2)心理戦(敵の抵抗意志の破砕のための宣伝、威嚇、欺騙[ぎへん、真実を偽装して敵の決定と行動を誤らせる]等)(3)法律戦(武力行使の合法性を確保し、敵の違法性を暴き、第三国の干渉を阻止する)―などだ。六つの戦争計画の報道は「世論戦」かもしれない。

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