「温泉文化」、2030年にユネスコ無形文化遺産登録へ 審議会が候補に選定


「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産全国推進協議会の「温泉/ONSEN シンボルマーク」

 国の文化審議会・無形文化遺産部会は11月28日、「温泉文化」を「神楽」とともに国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産への新規提案候補に選定した。ユネスコによる審査の優先順位を神楽、温泉文化の順とし、神楽は2028年、温泉文化は30年の審査で登録の可否が決まる見込みだ。

 温泉文化を巡っては、温泉・観光団体などで組織する「『温泉文化』ユネスコ無形文化遺産全国推進協議会」(事務局=全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会)が、登録推進議員連盟(菅義偉会長)、登録を応援する知事の会(平井伸治会長=鳥取県知事)とともに、登録の実現に向けて機運醸成を図っていた。リアルとオンラインによる署名活動を行い、これまでにおよそ67万筆を集めた。

 無形文化遺産への登録は、日本では08年の「能楽」「人形浄瑠璃文楽」「歌舞伎」を皮切りに、24年の「伝統的酒造り」まで23件が登録されている。諸外国と比べて登録件数が多いため、日本からの登録は2年に1件とされている。

 次回の26年に向けては、既に「書道」が候補に決まっている。

 温泉文化については、来年3月までに国がユネスコ事務局に提案書を提出。30年12月ごろ、ユネスコ無形文化遺産保護条約政府間委員会で審査の上、登録の可否が決まる見込みだ。

青柳協議会会長「引き続き機運醸成」

 「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産全国推進協議会の青柳正規会長(多摩美術大学理事長)は、温泉文化の新規提案候補選定に当たり、次のようにコメントしている。

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