【体験型観光が日本を変える405】参院選後の観光振興策は 藤澤安良


 各地で梅雨明けとなり、猛暑日が続いている。しかし、どこかでゲリラ豪雨も起こっている。熱中症と水難事故も後を絶たない中、参院選の投開票が20日に行われた。夏休みに入り、3連休の中日とあってレジャーに行く人もあり、投票率の低下が心配されたが、期日前投票者は過去最高となり58・51%となった。

 選挙戦では、地域振興や観光振興などの議論はほとんどなく、米騒動に物価高対策や所得を増やすなどの国民の切実な暮らしに直結した問題が争点となり、今回の選挙への関心の高さがうかがい知れた。

 結果は国民民主党と参政党が大躍進して、与党・自公が過半数に達せず衆参ともに少数与党となった。野党は思想主義的には右から左まで混在しており、政策が一致できるものばかりではなく難しい政局になる。しかし、野党の政策ではいずれも消費減税か廃止で一致しており、その方向に動く可能性はある。

 米問題は大きな争点にはならなかったが、食料自給率の向上、米の作付面積の拡大、農業後継者不足、生産規模の拡大と合理化など、主食の根幹をどうしていくべきか、しっかりと未来を見据えたビジョンが示されなければならない。

 そんな中にあって、選挙の責任をとるべく党内外から石破総理の退陣論が出ているが、米国との関税交渉もあるとして、本人は続投の意向を示しており、党内の動きも含めて注目する必要がある。

 大幅に議席を伸ばした参政党は「日本人ファースト」を掲げた。インバウンドの大幅な増加とその一部のモラルの悪さや、対外国人政策や目に余る不動産登記からもそのキャッチフレーズが有権者に刺さったようである。

 そのインバウンドの都市型観光や局所集中型から地方への誘導が課題となる。また、国内旅行も夏休みには動くものの、夏休み以外のウイークデー、とりわけ冬季はスキー場以外の地域は苦戦している。

 観光関係者としては「Go Toトラベル」のように直接観光消費につながるインパクトのある政策が有難いのだが、現状ではそこまで届きそうもない。とにかく、可処分所得を伸ばして衣食住以外に使えるお金を得られることが不可欠である。

 観光振興においては、地域での誘客拡大戦略が求められている。毎年恒例の祭りやイベントの事業を消化するだけではなく、インバウンド対策や国内旅行誘客の平準化を目指すなど観光業界の課題に正面から向かい挑まなければならない。

 つまりは、自治体、宿泊施設、観光施設、体験コンテンツ、物産販売、交通機関等の観光関連業者が一丸となって、自らの地域で、顧客に訴えられる価格設定、魅力あるオリジナルコンテンツや地産地消に徹した旬の料理などを取りそろえて、地域独自のデスティネーションキャンペーンを創り上げることである。それらの関連組織をつなぎまとめる役割が必要になる。

 そして、それはDMOや観光協会などの重大な役割でもある。

 選挙疲れや様子見でしばらく政治は停滞する。冬の誘客拡大を目指してまずは地域が行動を起こす時である。

 
 
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